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銀行の肘つき椅子に座ってみた
story | 2015.6.8
ロクロウくん(32才)
6畳一間住まいのフリーター。
彼女はリカさん(32才)。

子ども、結婚、そして家。普通だったら2年はかかる道のりを、いま猛スピードで駆け抜けようとしている僕です。最初は、6畳一間からもう少し広いアパートへと引っ越そうと思っていただけでした。けれど美大からの付き合いの彫金作家のノボルと、会社を辞めて靴職人をめざしているタケゾウが家持ちだとわかって、にわかに賃貸から持ち家に心が傾きはじめました。しかも妻にローンを組ませて! いえいえ、怒ってるんじゃありません。僕もその作戦で行こうと決めたんです。ノボル、タケゾウ、ロクロウ。無頼派三羽ガラスもひとり抜け、ふたり抜け、いよいよ僕も抜ける番が回ってきたようです。

いっそ家を買わないか?話を切り出してみると、リカはあっさりOKを出しました。しかも「私がローン組もうか?」とまで。話のわかる嫁です。
「まあ、足りない分はウチのお父さんに出してもらえばいいじゃない?」
いやいやそれはナシでお願いします。あのオヤジに絶対借りは作りたくないもん。借りたら、ハウスクリーニング会社跡継ぎ直行便に乗ってしまうようなものだもん。

というわけで、銀行に住宅ローン相談に来ています。通常、物件を決めてからこういう所に来るのだと思いますが、正直ビンボーな僕らなので、いくら借りられるのか、いくら返せるのかを先に知りたかったのです。通されたのは、いつもの窓口とは違う、肘つき椅子のあるカウンター。担当はいかにも仕事ができそうな美人銀行レディです。僕は緊張のあまり、聞かれる前に一気に自分たちのことをしゃべりました。

造形作家でローンを組むのが難しそうであること。妻は正社員で約10年同じ書店に勤めていること。先日結婚したばかりであること。それから妻は妊娠していること。あれ?美人の顔、一瞬くもったみたい。

「奥様がおひとりでローンを組まれるのですね。そうしますともしかしたら妊娠中ということで、当行では審査に通りにくいかもしれません」
えっそうなの?ノボル家は妊娠中、タケゾウ家は育休中にローンが借りられたって聞いたけれど。なんでウチはダメなんですか?
「ではよろしければ、事前審査を受けてみますか?」
ああ、受けてみますよ。受けてみますよ。あいつらが通って、僕とリカが通らないわけない!「それなら、受けてみなさいよ」とは言われませんが、美人銀行レディの挑発的な視線を僕は見逃しませんでした。


住宅ローンの事前審査の申し込みをしたロクロウくんです。無事、通るといいのですが。皆さんのローン審査にまつわるお話がありましたら、ぜひ教えてください。もちろん秘密は厳守いたします!

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