みんなで考える住まいのかたち

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380万円の団地を見に行こう
ロクロウくん(33才)
6畳一間住まいのフリーター。
妻リカさん(33才)、
娘ユメちゃん(1才)の
3人暮らし。
story | 2015.8.28

ユメちゃんが生まれてから、リカの実家で頻繁に食事をするようになりました。リカの父親は、何かにつけてアーティスト兼フリーターの僕にハウスクリーニング会社を継がせようとするし、決して居心地はよくないけれど、銘柄牛のステーキには代えられません。1枚3,000円くらいかな。スーパー勤め10年、肉を見れば値段はわかります。ニマニマ黙って肉を喰らう僕の横で、リカはといえば両親にペチャクチャと明日、例の分譲団地を見に行く話をしています。
「380万円? 俺のクルマの半分じゃないか。ワハハハ」
リカのオヤジ、絶対言うと思ったんだよー。ドントウォーリー、想定内です。

というわけで、僕らは築49年のカゼガオカ団地に見学にやってきました。案内をしてくれた不動産屋の女性は、リフォームが済んでいないこと、しかも5階にあるからこそ、格安であることを教えてくれました。足腰が弱くなるシニア世代は下層階が便利。ここで長く暮らしてきた住人たちも上から下の階へと引っ越しするパターンが多いのだそうです。階段なんて僕は問題ないけれど、心配なのはリカです。ユメちゃんを抱いて上り下りできる?「私、試してみる」と、さっそくベビーカーを担いで5階まで登りきりました。「大丈夫よ。まかせて」たくましい。ハタチの頃のあのはかなげな美少女の面影は、もうないけれど、今のリカも僕は大好きだよ。

いざ、380万円の部屋へ。すり切れた畳に、カビの生えた風呂場、いかにもな押し入れに、今どき見ない天袋、モザイクが入った昭和なトイレの窓ガラス……全然いいじゃん!きれいになりそうじゃん!味あるじゃん! 不動産屋の女性は、そうでしょうかねぇという腑に落ちない顔をしているけれど、僕にはこの古さが、これからどうにでも変えられる自由さに映りました。「自分たちで直すのもいいじゃない?」リカも同じ意見みたいです。

すっかり気に入ってしまったものの、焦りは禁物です。アパートに帰ってから、あえてこの団地の心配なところを二人で出し合ってみることにしました。

カゼガオカ団地の心配な点:

エレベーターがない。バリアフリーでもない。
水まわりをはじめ、設備が古い。
オートロックではない。
お年寄りが多そう。近所づきあいが上手くできるか。
建物が古い。地震のとき大丈夫か。

エレベーターやバリアフリーは、若いし、まあいいかという感じ。設備の古さもオートロックがなくても、古い家に住み続けてきた僕らは気になりません。お年寄りは、自分で言うのもなんだけどむしろ好かれるほう。建物の古さは? 古いのはいいけれど、地震は恐い! そういえばあの団地、耐震性ってどうなってるんだろう? 急に心配になってきました。


古い団地は耐震性が確かに心配です。
みなさんは古い団地のメリット、デメリットをどう考えますか?

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