すごい美女、けれど性格が悪い。抜群に安い、けれどまずい。無料で進呈、けれど長ーいアンケートに協力させられる。世の中ってやっぱりトレードオフの関係で成り立っているんでしょうか。この間見学に行った380万円、カゼガオカ団地ですが、耐震性が気になって確認したところ、耐震診断をしておらず、これからも当面その予定がないという返事が不動産屋から返ってきました。それでも住んでいる人いるんですよね?
「価値観は人それぞれですからねぇ」
それはそうでしょうが、なんともしっくりしない返事です。
あぁ、この団地にいいのにな。一度いいと思ったものってなかなか諦めることができないもんですねぇ。ユメちゃんと散歩をしながら、きょうもガゼガオカ団地に来てしまいました。すると向こうから、頭に仲良くタオルを巻いたいかにも“作業中”といった、夫婦らしい二人が歩いてきました。ピンと来ました。あの人たちに聞いてみるしかない。
あの、もしかしてリノベ中ですか?
「そうなんです。節約しようと思って、セルフリノベなんですよ」
やっぱり。二人は顔を見合わせて楽しそうに笑っています。
いま会ったばかりだけれど、この人たちに聞いてみよう。
あの、失礼なんですが…この団地、耐震診断を受けていないんですよね?それでも、どうしてここに住もうと思っていらっしゃるんですか?
この団地にとても惹かれていることを丁寧に伝えながら、僕は失礼な質問を出来るだけ失礼じゃないように気を付けながらたずねました。
「そうなんだよね。それでも買ったのは、耐震性に優れていると言われる“壁式構造”だからというのもあるね 。壁式構造っていうのは、昔の団地の建て方で、住宅内部に鉄筋コンクリートの壁がたくさんある構造なんだよ。それに最近の大きな地震でもこの団地はほとんど被害がなかったからね。だからって安心というわけではないけれど、それも理由かな」
なるほどなぁ。ご主人の話には説得力があります。奥様にも理由があるようです。
「この時代の団地は、建物に対して敷地が広く、ゆったりと建てられているでしょう?つまり敷地の持ち分比率が高いのよね。だから万が一建物が使えなくなったとしても土地の価値は残るから、損はないと思うのよね」
ヘぇそんなこと考えもしなかった。耐震診断をしていない団地も、自己責任で住むという判断もありそうだな。さて、僕はどうしよう。少し悩んでみることにします。
耐震診断をしていない団地について学ぶことができたロクロウくんです。
さてロクロウくんはどうするのでしょうか。皆さんのご意見をお聞かせください。