間取りをカスタマイズする

無印良品の考えるリノベーション | 2016.7.26

無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」では、リノベーションしたときは当然のこと、10年後でも快適に過ごせる住まいのご提案をしています。快適な温熱環境をつくり、その中に自由に暮らしを編集できる一室空間を実現し、家具や建具で間仕切ることで、自分の暮らしに合わせた間取りを編集することができるのです。

左の図は、前回のコラム「水まわりの配置で変わる暮らし」でもご紹介しました「MUJI INFILL 0」を施工した状態で、これだけあれば最低限暮らせる「すっぴんの住空間」です。
水まわり以外を一室空間とし、光と風が通り抜ける快適な暮らしができるようになっています。

本当に必要なものだけを残して、暮らしの「0(原点)」をつくり、自由にパーツやアイテム、素材を「+(プラス)」していくという住まいの発想で、いくつかプランを考えてみましょう。

家事充実プラン

例えば、この様な間取りはどうでしょうか? 家事動線に重点をおいたプランです。

バルコニーから和室を通って、キッチンを抜けて、洗濯機まで一直線で行くことができます。メインの動線とは別に家事動線を設けているので、生活しやすくなっています。
また、洗面室とウォークインクローゼットが近くにあるのも効率的です。洗濯には、洗う、干す、アイロン、たたむ、しまう、といった行為が必要です。バルコニーで干し、和室の畳の上でアイロンや服をたたみ、クローゼットにしまえます。
さらに、和室に室内干しができるように考えました。窓際であれば日当たりが期待できそうです。和室の引戸を閉めれば干してある洗濯物を外から目隠しすることもできます。
この効率的な家事動線は、共働き夫婦にも適していそうです。夜洗濯をして、室内干しをしておけるのが特長です。

個室充実プラン

次に、子ども部屋を2つ欲しい場合はどうでしょうか? 個室を充実させたプランです。

ここでは、引戸を使って部屋と部屋を仕切っています。昼間は、引戸を開ければ廊下ともつながって、広々と使えます。
2つの子ども部屋の間は、背の高い家具で仕切られています。家具なので、模様替えや広さをかえるのも自分できます。
子どもが独立すれば、引戸を外したり、家具を移動させたりして、空間を変えることができます。

インナーテラス充実プラン

3つ目は、植物に囲まれた暮らしを実現するインナーテラスをつくったプランです。

明るい窓際をサンルームのようなインナーテラスにし、観葉植物を置いたり、外を見ながらのコーヒーを飲めるような、内と外をつなげるスペースをつくりました。リビングの境目には透明の引戸を設けると良さそうです。視線はさえぎらずに空間を仕切ることができます。

ベッドルームと大きなウォークインクローゼットの間は家具で仕切っています。ベッドルームとLDKとの境目は引戸にしているので、開け閉めで風通しの調整ができます。少し幅の広めの廊下には、本棚を設けていますので、廊下のスペースが無駄になりません。

このように、無印良品のリノベーション「MUJI INFILL 0」は、1つの部屋をさまざまなかたちにカスタムすることができます。暮らしを自由にするために、その暮らしを入れる箱の部分の断熱性能は高くする必要があります。断熱材やインナーサッシなどを使って温熱性能を高くつくることで、あらゆる間取りに変更したとしても快適に過ごすことができます。逆に断熱性能が低いと、間取りによって室内の温度差が大きくなり、快適性が低くなるかもしれません。しっかりとした構造や高い断熱性能があってこその自由さです。
このような暮らしに合わせて自由に間取りをカスタムできるリノベーションはいかがでしょうか。ぜひご意見をいただければと思います。