つながる間取り

団地再生物語 | 2014.12.16

2012年度に大阪でスタートした「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」も今年で3年目を迎え、東京、大阪に続き、千葉、埼玉、名古屋、神戸にも拡大、新団地に新規10プランを加え、来年1月24日(土)より入居募集を全国一斉に開始します(募集の詳細は1月上旬に発表予定です)。

MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトは、新築そっくりにつくり変えるのではなく、残せるものは残しながら、本当に必要なものだけを加えていく。そして、賃貸住宅でありながら、住む人が自分の暮らしに合わせて間取りを編集できるという、プロジェクトのコンセプトは変わりません。
入居募集に先立ち、今回はこの新プランの魅力を「つながる」をテーマにご紹介したいと思います。

麻畳でつながる空間
MUJI×URではもうおなじみの「麻畳」をふんだんに使用した間取りが、今年は2つ登場します。
MUJI×UR Plan 10 (千里青山台団地)では、玄関の上がり口から麻畳が敷き詰められているスリッパ不要の家です。玄関~廊下~ダイニング~リビング?寝室まで麻畳が敷かれた空間は、部屋全体の一体感を感じさせるとともに、どこか懐かしい日本家屋を思わせる暖かさがあります。
廊下に麻畳を敷くだけで、こんなに空間のイメージが変わるとは、私たち自身にも嬉しい驚きでした。

玄関~廊下~ダイニング~リビング~寝室が、麻畳でつながっている

MUJI×UR Plan 14 (品川八潮パークタウン潮路南)でも、ダイニング~リビング~寝室に麻畳が敷き詰められています。
とくにダイニングは、もともとフローリングだった床に麻畳を敷き込んで、空間の一体感を狙ったものです。ダイニングに畳?と思われる方もいらっしゃると思いますが、床座でも椅子座でもどちらの暮らし方にもフィットする麻畳にとって、ダイニングはまさにうってつけのスペース。ちゃぶ台でもダイニングテーブルでもしっくりなじむので、住む人の生活スタイルに合わせて家具の選択肢が広がります。
また、リビングと寝室が1室につながることで、大きな掃出し窓のある明るさと解放感溢れる大空間が出現しています。

ダイニング~リビング~寝室が麻畳でつながっている

窓面に対して麻畳でつながる広い間口

玄関からつながる土間のあるくらし
MUJI×UR Plan 19 (千代が丘団地)では、閉鎖的になりがちな玄関をワークスペースとつなげています。
空間的につなげるだけでなく、床の仕上げも玄関の土間と合わせることで、あたかも玄関そのものがワークスペースの一部であるかのような、気持ちの良いつながりを生み出しています。
使い勝手も、そのまま自転車やベビーカーを置いたり、DIYを行う作業スペースにするなど、住む人の感性にこたえられる空間です。

玄関から繋がった土間風の廊下~ワークスペース

同様に、床の仕上げを玄関の土間と同じに仕上げることで、玄関スペースに広がりを持たせる手法は、MUJI×UR Plan 15 (真砂第一・第二団地)でも使われています。こちらは、その床仕上げをリビングダイニングキッチンにまでつなげ、廊下との仕切りを「半透明ふすま」にすることで、暗くなりがちな玄関を明るく開放的にするとともに、リビングダイニングキッチンをより広く感じる効果を出しています。

玄関からつながった土間と同じ仕上げの廊下

廊下と一体となった洗面室とリビングダイニングキッチン

南北をつなげる光と風のトンネル
MUJI×UR Plan 11 (落合団地・千代が丘団地)とMUJI×UR Plan 12 (落合団地・武里団地)の、もとのプランは団地ではよくある間取りで、南北の部屋を2間の押入で仕切ってあり、それぞれの部屋の独立性を重視したものでした。
今回は、押入2間の内1間を、南北の部屋をつなぐ通路として壁をなくしています。収納を確保するために天袋を残しましたが、そのことで、この「もと押入れ」はまるで南北の部屋をつなぐトンネルのような設えとなりました。

ダイニングとリビングをつなげるトンネルに光と風が南北に通る

反対側からはダイニングが見える。上部には天袋が残されている

ただ単に壁を取り払い、2室の空間を1室に広げる場合と異なり、トンネル越しに目線を通すことで、ゆるやかに部屋のつながりを感じることができるという、ちょっと楽しい空間が生まれました。もちろん目線だけでなく光と風も南北に通るので、団地の特長である、南北2面採光(住戸の南北両側に大きな窓が取られている)の恩恵をおもいっきり受けることができるようになりました。

いかがでしょうか。これらの部屋の入居募集は、2015年1月24日(土)に全国一斉に開始します。詳細情報は、無印良品の家ホームページ、無印良品の家Facebookでもご紹介してまいります。ご興味あればぜひご覧いただき、ご意見・ご感想をお聞かせください。