小さな3階建ての家

住まいのかたち | 2013.7.16

大都市の土地を買うというのはとても高価なことで、なかなか簡単ではありません。でも、もし小さな土地にうまく建物が建てられれば、都市部に自分の家を持つこともできると思うのですがどうでしょうか。今回のコラムでは、小さな家、狭小住宅の3階建てという家のつくり方について考えてみたいと思います。

土地の面積はわずか28m²、建築面積は13.2m²という小さな家で、家のほとんどが階段でできています。家なのか階段なのかわからないぐらいの小さな家ですが、暮らしの機能が階段を中心に取り囲んでいます。
こうなってくると階段そのものも机になったり、ものを置くスペースになったりと、階段が階段以外のスペースになったりします。

これは地下1階、地上3階建て、木造の4層の建物です。1フロアの面積は4坪(13.2m²)、ですので全体でも16坪(52.9m²)の家です。
1階は玄関だけですぐに地下にいきます。地下は寝室のみです。地下と1階の間に天井の低い納戸をつくっています。1階はお風呂、トイレといった水まわり、2階はキッチンとダイニング、3階は子供部屋という構成です。

こんな小さな家ですが、広く見えるのには理由があり、実はそれぞれの部屋に仕切りがないのです。床の高さが変わることで空間を仕切っているので、あえて部屋ごとの仕切りをつくらないことが、全体を広く感じさせることにもつながっています。
またそれぞれのフロアに付けた窓は、建築面積に換算されないほどの大きさの出窓にして、そこに腰掛けることができるようにもしてみました。

小さな土地に小さい家を建ててみる。たくさんの制約がありながらも、知恵を使ってなるべくものを持たずにシンプルに暮らすという提案です。
小さな家を大きく使う。工夫することで楽しい空間がつくれるなら、小さい土地に一戸建ての家をもつことも夢ではないかもしれません。
いかがでしょうか。皆さまのご意見をお聞かせください。