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やっぱり迷う。家とお金。
story | 2015.6.26
メグミさん(39才)
結婚間近のマンション持ち。

このマンション、価値はそれほど落ちていません。賃貸にしてもよいのでは?」。不動産屋のテラさんの想像もしない言葉に、柄にもなく浮ついているメグミです。

築20年。40㎡。年相応の水まわり。「それでも賃貸にしたら、借り手には不自由しないでしょう」とテラさん。売却する場合も価値はトントン。おそるべし駅近パワーです。いま検討中の新居マンションは、婚約者の彼の収入だけで十分ローンが組めそうだし(返済期間は少しのびるけど…)この物件は賃貸にするという選択肢もありかもしれません!

今のローンの支払いが月々9万円だから、家賃を11万円にしたら、差額の月2万円が毎月入ってくる計算!さらにローンが完済したら家賃のすべてが不労所得になるってことよね。ふろうしょとく。鼻歌がこぼれてきました。やっぱりマンションって資産なのね!

好きな言葉は合理的。彼ならきっと喜んでくれるはず。早速話をしてみました。ねえねえこのマンション、賃貸にしない? あとね、資産価値のことを考えたら、次のマンションは新築もありだと思うの。 すると、好物のパスタを食べる彼の手がぴたりと止まり、少年のような笑顔が一転、なんともいえないしぶーい顔になりました。「メグちゃん、このマンションは予定通り売却しよう。それで次のマンションの頭金にしよう」あれ? 珍しく強気な言い方です。

「うちの親父ってさ」うんうん。「長期ローンを組んで、30年前に家を買ったのね。 次男だけど親からもらった土地もあったし、なんとなく将来に備えて」へえ、神奈川のあの立派なお宅はそうだったのね。「今は完済してるけど、昔飲んだときに親父さ、住宅ローンってやつは大変だったなあ、っていっててさ」「俺たち兄弟3人を大学に行かせられたし満足してるけど、もっともっと一緒に旅行したかった、とかいうわけ」あのお義父さんが。「俺も子供ができたらいろんなことさせてあげたいのね。贅沢したいわけじゃないんだけど」わかるなあ。やりたいことさせてあげたい。

「だから、家にはできるだけお金をかけたくないんだ。長期ローンはやっぱり金利もあるからさ。どうしても投資額がふくらむし。理想は中古マンションをできるだけ安く買って、リノベして。俺たち共働きだし、収入もそこそこあるから返済も早いと思うんだ」ふむふむ、その分、教育費や趣味にお金が使えるってわけね。リノベ、リノベって流行ものが好きなんだなあ、なんて思っていたけど、いろいろ考えてくれたんだなあ。惚れ直しました。

後日、電話でテラさんにそのことを伝えると、うれしそうに「それでは売却の手続きを進めますね」と了承してくれました。こうして私たちは「身の丈に合った家」を合い言葉に、さらなる家探しを始めたのでした。


彼の家に対する考えに共感し、マンションの売却を決意したメグミさんです。家にかけるお金に対する考え方は人それぞれ。何を大切にして家と向き合うか、皆さんのご意見をぜひお聞かせください。

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