暮らしの変化に対応できる住まい

無印良品の考えるリノベーション | 2015.12.1

無印良品が提案するリノベーション「MUJI INFILL 0」の主役は、そこに住む人の「暮らし」です。住む人の暮らしに合わせることのできる間取りを提案し、「暮らしの背景」をつくるお手伝いをします。
前回のコラム「自分で編集できる暮らし方」では、1人~2人の間取りをご紹介しました。今回は、ファミリータイプの暮らしを提案したいと思います。

両側に大きな窓がある、ファミリータイプの間取りをリノベーションする
下の図面は、リノベーション前の3LDK、99㎡のマンションの一部屋です。

左右にバルコニーがあり、それぞれの側に窓があります。両側の窓を開けることで、光と風が通り抜けることが期待でき、その間をLDKにすることで、家族が集まる空間を気持ちの良い空間にすることができそうです。
ただ、浴室や洗面・脱衣室がそのままだと、風の通る気持ちのいい空間が実現できそうにありません。また、キッチンの位置も変える必要がありそうです。

この部屋を無印良品でリノベーションしてみましょう。光と風が通り抜ける気持ちの良いLDKをつくります。
まず、断熱の追加や給排水管の更新といった住まいの性能を向上し、キッチン・お風呂・トイレといった水まわり、床・壁・天井といった最低限必要な部分、暮らしの「0(原点)」をつくります。

キッチンを住まいの中心に設置し、料理をしながらでも住まいの様々な部分に目が行き届くことができそうです。また、浴室や洗面脱衣室は、左下に配することで、上側を大きなLDKとすることができました。水まわりは動かせないのではという先入観がありますが、条件によっては大きく動かすこともできるのです。
一見、なにもない空間ですが、住まい手は、無印良品の7,000超えるアイテムを背景にした「暮らしのパーツ」である「MUJI INFILL +」を使って自在に内装を編集できます。

リノベーション直後:広々としたLDKとして使う

家族は、ご夫婦と子供(幼児)1人を想定しています。キッチンの右側をダイニングとリビングにし、左側をワークスペースにしています。右下の寝室は親子3人で使用し、LDKとは家具でゆるやかに仕切ります。広々としたLDKは、左右に光と風が通る快適な空間になりそうです。
洗面脱衣室はバルコニーに面しているので陽当たりが良く、インナーバルコニーとして使うことができます。

10年後、子供部屋をつくる

10年後に子供部屋が必要になったときの間取りです。家具の配置を変更して子供部屋をつくり、リビングをキッチンの左側に移動しました。また、ある程度のプライバシーが必要になってくると想定して、主寝室と子供部屋、玄関とLDKの間に引戸を追加しました。
その後、子供がさらに成長し、子供部屋が不要になった場合は、家具の配置を変更して新しい空間をつくることが可能です。

このように、暮らしの変化に対応できる住まいを実現するために、「MUJI INFILL 0」では温熱性能も大切にしています。外壁には高性能の断熱材をとりつけ、窓にはペアガラスのインナーサッシを標準で設置します。こうすることで小さく部屋を区切らなくても温熱環境が安定し、快適な暮らしをすることができるのです。

一般的なお仕着せの間取りや固定された暮らしではなく、ライフスタイルの変化や家族の成長に応じて家具や建具などで自由に仕切り、変化させることができる住まい。
このような住まいについて、皆さんはどのようにお考えになりますか。ぜひご意見をお聞かせください。