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団地再生物語
観月橋団地の再生プロジェクト
column | 2012.3.6

住まいのかたちコラムでは、前回より「団地再生」についての連載をはじめたところ、とても多くの方からご意見投稿をいただきました。
懐かしいというお話や、現在住んでいるが改善して欲しいこと、またリノベーションという考え方に賛同いただいているご意見などなど、本当に様々です。と同時に、無印良品として団地再生プロジェクトへの大きな期待も受け止めております。

今回から、具体的な団地再生のおもしろいリノベーション事例をいくつかご紹介していきたいと思います。

無印良品が直接関わった物件ではありませんが、モデルルームには無印良品の家具が設置されています。京都伏見にある観月橋団地の再生プロジェクトです。既存の空間の特徴をうまく活かしながら、その機能を現代の暮らしにあわせていく、そのリノベーションの方法はとても興味深いものです。

まずは少し、この建物の歴史についても触れておきましょう。
この観月橋団地は、昭和37年にできた5階建ての住宅14棟が立地している大規模団地。公団の初期のプロトタイプがそのままに残っている団地です。
下のように、階段室を中心に左右に部屋が配置され、そのため南北の窓は開放されていました。建設当時はまだエアコンもない時代ですが、南北に風が流れ、さらには隣の棟と棟との間にも十分な距離があり、日の光も十分に入ります。建物の高さも5階建てと低く、現代のような高密度なマンション計画とは違って、緑豊かな のびのびとした配棟計画になっています。

観月橋団地は、UR都市機構の初期のプロトタイプの代表作です。その設計は「公営住宅標準設計C51型」(1951年に開発されたので51)と呼ばれる間取りを搭載した、戦後の集合住宅の原型ともいえる名建築の一つなのです。

この間取りの面積は約40m²。今でこそ小さいとも言われますが、当時はこの大きさでもあこがれの公団生活(!)。ダイニングキッチンという新しい文化、地方からでてきたたくさんの若い夫婦が、このモダンな住宅に住み始めた時代です。
当時は家族4人がここで暮らすこともありました。しかし今の時代には、お風呂も小さく、洗濯機の置き場も冷蔵庫の置き場もなく、機能的に改善が必要です。

この「C51型」の間取りが採用された観月橋団地では、いくつかの解決方法を提案しています。
まずは一つ目の事例。
今までの間取りの構成をあまり壊さずに、キッチンの位置を壁側から反対の位置にして、冷蔵庫と洗濯機の置き場をつくります。小さなお風呂も快適なシャワールームにしています。部屋の仕切りはそのままにしながら、普段は解放して一室の空間として使えるようにしています。

もうひとつの事例は土間プランと呼ばれるもので、玄関からキッチンスペースを含めて玄関の延長上の土間スペースとしています。昔の町家などで見かける家の構造です。
水回まわりを外に近いところにおいて、部屋の中には水まわり空間を持ち込まないという空間構成です。買い物から帰ってきて、すぐに調理台へ、冷蔵庫へ続きます。いかがでしょうか。玄関に入って、いきなりキッチン?と不自然に思えるかもしれませんが、部屋の中から見ると、くつろぎの空間からは、お風呂や水回りといったサービス部分が見えないというのは、とても快適な解決方法にも思えます。

次回も引き続き具体的な事例を紹介していきたいと思います。
皆さんからの公団再生のアイデア、ご意見などお待ちしています。

今回ご紹介したUR都市機構の観月橋団地の再生プロジェクトについてはこちら

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