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団地再生物語
団地で住人のお祭りを行う
column | 2013.1.8

先日、大阪の新千里西町団地で「住人祭」を開催しました。
当日はあいにくの寒さ、各地で雪も降ったほどの寒さでした。それでも全員で約60人ほどが参加する大イベントになりました。

住人祭」は、1999年にフランス・パリで始まったお祭り。"隣人祭り"ともよばれ、フランスでは「La fete des voisins」という年に一度の大きなイベントとなっています。今まで、無印良品の家でも何度かご紹介をしてきました。

「住人祭」は、住人が集まって、ただ一緒に食事をして過ごすというイベントで、好きな人嫌いな人はなく、住んでいる人同士、普段付き合いのない人が話をすることが目的。一度でも顔を合わせておけば、そのあと会ったときにもあいさつや会話がはずむものです。

さて、今回の新千里西町団地での住人祭、二ヶ月ほど前から準備を始めました。この団地では、MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトも進んでいます。

ある日、プロジェクトメンバーから、「団地リノベーションプロジェクトはハード(建築的な住まい)を新しくすることだけでなく、コミュニティの再生が大事だ」との声が。このコラムでもいろいろな提案をしてきましたが、団地の中での新しい暮らし方には、コミュニティの再生がなにより必要なのです。

団地の自治会のメンバーも高齢化し、若い人との接点が少なくなっています。世代を超えてのつながりを誰もが求めているはず。若い世代の人たちがいまの時代の暮らし方として団地を選んでほしい、団地リノベーションプロジェクトはそう考えています。

いまは、団地が誕生した50年前の家族の世帯像とはあきらかに違うはずです。子供も少なく、単身者も多くなる現代の暮らし、さらに高齢者の一人住まいも多くなっています。

無印良品で行っている「住人祭」では、集合住宅の中でせめて一年に数回、みんなで顔を合わせて食事や音楽を楽しんでみる、知らない人と話をしてみる、そうした機会が必要だと考えていままで多くの住人同士のイベントを企画してきました。
今回も同様に、しかし新築のマンションに比べて、すでに住み続けている人たち同士のイベントは、きっかけづくりがなかなか難しいもの。多くの人に参加してもらいたいと、自治会の人たちがチラシをポストにいれたり、掲示板にはったり、口コミで声をかけてもったりして準備をしてきました。

650世帯が住むこの団地、できれば全員出席してほしいとの気持ちでしたが、結果は60人。しかし、この厳しい寒さの中、大きな第一歩ではないでしょうか。こうした取り組みが、住人同士のつながりをつくるきっかけになっていくでしょう。

それでは、少しだけ当日のイベント内容をご紹介します。
子供たちも一緒にみんなでつくろう!と、丹波篠山から手伝いに来てくれた人たちの新鮮な野菜(紅芋、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草)を使って、カラフルな4色の「すいとん」をつくりました。

また、自治会の倉庫に眠っていた石臼をつかってのお餅つきもしました。

子供たちはペットボトルにビーズをいれての楽器づくり。音楽チームは、福岡や東京から3グループ8人が集合。また、日本中を旅するシェフもかけつけ、他にも地元のボランティアが手伝いに来てくれました。

こうして、たくさんの「住人祭」を支えるメンバーが集まり、太鼓でリズムをとりながら、歌ったり踊ったり、みんな本当に楽しそうでした。丹波篠山の野菜市では、おいしい野菜を買っていく人もたくさんいました。

子供も大人も楽しい一日、準備に携わった、自治会、UR、ボランティア、みんなの協力のおかげでできたすばらしいお祭り、でもなにより参加してくれた人が積極的に楽しんでくれたこと、なによりそのことが一番でした。

団地ができたころの数十年前は、きっといろいろなイベントがあったことでしょう。季節の行事や盆踊り、運動会、相撲大会、かつての住人同士のつながり、いつのころからかなくなってしまったコミュニティに、もう一度あかりをつけてみたい、そう願って行なったお祭りです。

昔のイベントを思い出したお年寄りの方もいらしたかもしれません。また、これからの団地の暮らしが少し楽しくなった日にもなりました。
団地に住む人たちのつながりのきっかけとなった住人祭。皆さんのご意見をお待ちしています。

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