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団地再生物語
団地リノベーションの部屋に暮らす
column | 2013.12.10

今回は、MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクトの部屋に実際に入居した方々への訪問取材と、アンケート内容から考えたことを少し紹介します。

白い空間、仕切りのない空間で背景を楽しむ

入居者アンケートでは、多くの方が MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクトの部屋を、白い部屋がいい、そして仕切りのない空間がいい、と答えてくれいます。
訪問取材をした方の多くはものが少なく、とてもすっきりとした空間で過ごしていたのが印象的です。そこでは白い壁が効果的に作用していました。

ものの持ち方について考えさせられます。日本はかつての高度成長期には、ものを持つことの豊かさを追求してきましたが、しかし今はそのことがかえって重荷かもしれません。できるだけものを持たずに、という人が増えています。
大事なことは、そこで過ごす時間です。そして空間です。どこでどのように、そして誰と過ごすのか、目にみえない、かたちのないものが大切になってきています。「ものを持たずにすっきりと暮らす」そうした暮らし方が、白い壁と仕切りのない空間にフィットしたのかもしれません。
アンケートのコメントを一部、ご紹介します。

空間を広く利用するということで収納部分の扉がオープンになっているところが多かったのですが、 見せる収納を心がけることにより雰囲気のある空間ができました。
(新千里西町団地・MUJI×UR Plan 04 [Re+004]
壁や床が白いので汚れが目立ちます。
(新千里西町団地・MUJI×UR Plan 04 [Re+004]


キッチンの可変性

テーブルや収納を自由にレイアウトできる組み合わせキッチ ンの可変性に、満足と答えた方が多かったです。
"公団のキッチン"は、1950年代の日本のあこがれ像でした。当時のステンレス一体型のキッチンは、近代の暮らし像を象徴するものでした。それまでの、磨きだしの人造石の小さなキッチンとちゃぶ台での食事から、いわゆるダイニングキッチンが登場して食事の場所は一変しました。寝るところと食べるところが分かれたのです。

すばらしいダイニングキッチンの登場だったわけなのですが、実は当時は冷蔵庫がなかったのです。その後のキッチンの改修でも、キッチン自体はよくなったのですが、冷蔵庫の置き場がありませんでした。

今回のリノベーションではそのことを解決するために、キッチンを壁から離して、オープンキッチンにしてみました。しかも部屋の大きさに合うように、キッチンの幅は180cmという長さにしています。家具のようなキッチンを考えてみたのです。
たしかに少し小さめですが、二人家族なら十分ですし、足りないときのために配置を変えられるカウンターも用意しました。テーブルの置き方を工夫して大きな作業台をつくることも可能です。この組み合わせキッチンはとても評判がよいようです。

テーブルをキッチンの横につなぐと調理台として使えます。

テーブルを向い合わせに置けばキッチンに。

置き方は変わったものの、開発当初のダイニングキッチンのコンセプトそのものです。
食事をつくり、 そこで食べて、団らんをします。キッチンはいつの時代も暮らしのシンボルです。

入浴はシャワーだけでもよいか

入居者アンケートでは、「シャワーだけで済ます日がありますか。」という質問に対し、「シャワーだけで済ます日はない」と答えた方は、12人中2人でした。「シャワーだけで済ましている」方が3人、残りの7人は「ほぼシャワーだけ」「半々」です。

実は、団地のリノベーションでもっとも苦労する所はお風呂なのです。
1950年代初期の団地には、お風呂はありませんでした。1950年代前半に都市にガスが普及し、団地にもお風呂が置かれるようになるのは、1950年代後半のことです。
バランス釜という風呂桶の脇に湯沸かし器が着くのですが、すでにあった団地の間取りを直してお風呂を設置するので、壁の位置はそのまま、風呂桶の大きさも限られていたのです。
このバランス釜、最大の課題は外部から酸素をどう取り入れるかということ。そのために外部との壁に穴をあけ、そこから煙突で空気を出していたのです。
その後、バランス釜は小さなものへと改良されてお風呂から外に飛び出していくことになります。

しかし、釜と壁の間に隙間がうまれ、冬のお風呂場は寒い、ということになってしまいました。
また防水についても問題です。床に水がたまらにように、急なこう配をつけ、お風呂のお湯があふれてもいいように考えています。また小さな浴槽ですから、必然的に深くなり、入りにくくなったために、浴槽側を一段低くすることにもなりました。
しかし、今となると、この一段低くなったところにいつも水が流れ、掃除もできない場所となり、気持ち悪くも感じますし、いまの時代の浴槽の清潔感からすると全面的に直したくもなります。
とは言っても、お風呂場の壁は構造体、壊すことはできません。ユニットバスを取り付けることは難しいのです。
であるならば、いっそのこと、浴槽のない快適なシャワー室とか、足湯だけにしてしまうという方法が快適なのでは、という考え方もあるのではないでしょうか。

同じようなことが洗濯機置き場です。洗濯機も団地が開発された当初はなかった、戦後の日本の三種の神器のひとつ。シャワールームにすることでお風呂の場所に洗濯機も置く事が可能になるかも知れません。水まわりがすっきりすれば、間仕切りを外し、広く開放的な空間を手に入れることができるとも考えています。

このあたりはもっとみなさんのご意見をうかがいたいところです。現在、住まいモニターブログ「団地のシェアルームに無印良品で暮らしています。」で、モニターと して住んでいる部屋は、新千里西町団地のシェアルーム(MUJI×UR Plan 05 [Re+005] )で、ここにシャワー室をつくってみました。是非、ご意見をください。

今回の入居者アンケートそして訪問取材では、きれいに、そして丁寧に暮らしている様子を見て、本当にうれしく思いました。また入居してくださる方が若い方だったのも特長です。
高齢化が進む公団に、若い方の入居は大歓迎です。古くから住んでいる方との交流もしたいとアンケートで答えていた方も随分いらっしゃいました。住戸をリノベーションすることが、団地の活性化にもつながっていけば、なおうれしいと思います。

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