団地の中の店舗をオフィスにする

団地再生物語 | 2014.4.15

下の写真のように、1階にお店があり、2階から上が住宅になっている下駄履き住宅と言われるようなものや、広場に面して住宅付の店舗がつくられている団地が多くあります。

1950年以降、戦後の日本の住宅供給不足を解決するためにたくさんの大型団地が供給されてきたなかで、団地内に日用品などの生活必需品を扱うお店がどうしても必要だったのです。そこで店舗付きの団地をつくり、お店を営業する人に有利な条件で家を貸すことを考えたのです。

しかしその後、時代とともに駅前には大型スーパーが建ち並び、品揃え豊富で便利なお店ができていきました。その結果、団地の中で買い物をする人はほとんどいなくなっていったのです。現在残るのは、病院、床屋、クリーニング屋といったお店がほとんど、という地域も見受けられます。

昨今、地方や郊外の商店街のシャッター通りの活性化の話題がでますが、団地でも同じようなことが起きています。この路面店の活性化に対して、今回は提案をしてみたいと思います。
商店をやめて個人で仕事をする人たちのオフィスとして使うという考えはどうでしょうか。たとえば建築家とか、家具デザインやグラフィックデザインの仕事などをする人、工房を主催する人、何人かで集まって使うシェアオフィスなどもいいかもしれません。

こうした個人事業は、いろいろな人がオフィスに集まります。夜遅くまで仕事をしている場合も多いと思います。また早く仕事が終わったときは、事務所の前のテラスでスタッフやお客さんと食事やお酒を飲んだりすれば、街に開かれた働き方ができそうです。おしゃれな空間をつくるのは得意な人たちです。その他、カフェのような飲食業もいいでしょう。なかには昼間はオフィス、夜はカフェなどというのもありそうです。地域の人たちとも仲良くなって、仕事を依頼されることもあるかもしれません。

もともとこうした場所の店舗は、団地の中での情報交換の場だったとも言えます。単に買い物をするだけでなく、よもやま話しをする場所でもあったのです。

しかし今となっては、店舗よりSOHOのようなオフィスのほうがそうした話をするには向いているようにも思います。いろいろな社会や地域の情報も入るでしょうし、楽しい話題を提供できるでしょう。見た目にも路面店のガラス張りのオフィスはギャラリーのようにも見えます。模型や自分の作品などを飾るのもいいでしょう。作品を肴(さかな)に親しい仲間が集まり、いろいろな話をとりとめなくするのも楽しいでしょう。

今回の団地の中の店舗をオフィスにするという考えについて、皆さんのご意見をお寄せください。