みんなで考える住まいのかたち

  • もっと家の話をしよう
  • 入居者インタビュー
  • 住まいのコラム
  • アンケート
  • ちんぷんリノベ村
団地再生物語
みんなで食事をすること
column | 2014.5.27

この春、大阪の千里ニュータウンにある「千里青山台団地」にて、400人もの住人が参加する「住人祭」が行われました。

「住人祭」とは、住人たちが集まって飲み物や食べ物を持ち合い、顔見知りになって楽しいひとときを過ごそうという趣旨のおまつり。地域のコミュニティー単位で行うのが特徴です。
1999年にフランス・パリで始まった住人祭は"隣人祭り"ともよばれています。1989年のフランス大熱波の際にたくさんの老人が部屋でなくなって、そのことに気付かなかった住人の若者が「こんな事はあってはいけない」と、せめて隣にどんな人が住んでいるのか、そして会ったときには挨拶ぐらいできる関係になろうと企画したイベントです。
フランスでは5月の最終日曜日、年に一度の「La fete des voisins」という大きなイベントとなっています。

無印良品の家では、2008年からこの「住人祭」に取り組んでいます。きっかけはフランス人のデザイナーユニット、アトリエ・グリズーさん夫婦。フランスでこの運動を経験した彼らは、有楽町のATELIER MUJIで住人祭展を開催したり、自宅のマンションで住人たちに呼びかけを行い、ご自身でも「日本版住人祭」を始めたのでした。その後も無印良品の家では、この活動を引き継ぎ活動を推進してきました。家をつくるだけでなく、住み始めてからの住人同士の「つながり」をどうつくるのかを考えようと考えてきたのです(住人祭について詳しくはこちら)。

大阪「千里青山台団地」の「住人祭」はこうした考えを踏襲し、家をつくるだけでなく、地域や団地のつながりをどう取り戻していくのかがテーマでした。

1960年代の古い団地は、高齢化や少子化が進む日本の象徴です。団地は社会の縮図のようなもので、高齢化率も一般の地域よりも高いのが団地の特徴です。
しかし一方で新しい住人も入居をしてきます。

MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトは、若い世代の方々が入居をしてくれるきっかけをつくったようにも思います。しかし古い住人と新しい住人、また世代が違う住人同士をどうつないでいくのか。また同じ世代でも知り合う機会が少ないことも課題となっていて、今後、解決する必要がありそうです。

今回の「住人祭」では、団地の自治会と住人が中心になって、数ヶ月の準備期間を経て実現しました。
当日は料理学校のボランティアの方々や、外部のボランティアスタッフやアーティストもサポートしてくれました。「参加者は隣の人の分の食事も持ってきてください」というお願いに、皆さん力作の食事を持ち寄ってにぎやかな食事会になったのです。かつてにぎわっていた団地の庭にまたにぎわいが戻ったようにも感じます。

「千里青山台団地」は1500戸もある大きな団地です。まだまだ始まったばかりの取り組みですが、ハードとしての家だけではなく、長い間住むための暮らしの場所をどうつくっていくのかを考えながらこの活動はさらに続けていこうと思っています。

今後は「千里青山台団地」だけでなく、色々な場所でこの活動をしながら、住人同士のふれあいのきっかけをつくっていこうと考えています。近隣の人と「あいさつ」ができる関係を取り戻すこと、隣の人の顔を覚えること、そうした小さなことから活動の輪を広げていきたいと思います。皆さんのご意見をお寄せください。

みなさんのご意見・ご感想を
お聞かせください。