庭のある団地の暮らし

団地再生物語 | 2016.9.27

MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトも今年度で5年目を迎えました。大阪からスタートし、東京・千葉・埼玉といった首都圏エリアや、神戸・京都といった近畿エリア、名古屋を中心とした中部エリア、福岡を中心とした九州エリアにも進出し、エリアを増やし続けています。
これまでプロジェクトで手がけた29のリノベーションプランは、上層階を中心とした部屋です。団地の魅力を生かし、「壊しすぎず、つくりこみすぎない」という考え方で陽当りや風通しや眺望の良さを感じていただいたのかと思います。
MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトでは毎年新しい試みを行っておりますが、今回は「団地の1階における庭付きの住戸の暮らし」を考えたいと思います。

庭付きの住戸の場合、団地の1階になります。庭はバルコニーと同様に共用部となりますが、その庭に面する住戸にお住まいの方が使用することができます。
庭付きの住まいというと、戸建住宅がまず思い浮かびますが、戸建住宅でも最近は土地が狭く、都会で広い庭を取れることはまれになってきました。賃貸住宅で、地面に接して住むことができるのは、とても魅力的です。また、団地であればとなりの建物との間隔も十分にあり、1階であっても陽当りや風通しが良いのです。

庭があればどんな暮らしができるでしょうか。例えば、遊ぶ・作る・育てる・食べるといったことが屋外でできそうです。地面を芝生にしたり、ウッドデッキにしたり、土にしたり・・・素材を変えることで、暮らし方も変わります。あるいはルールは考えないといけませんが、住み開きをして同じ団地の方や地域の方々を招いたり、モノづくりをしている人であれば、庭でとれた野菜でマルシェを開催したり、制作したものでフリーマーケットを開いても楽しそうです。また、室内の間取りが庭と連携したものであれば、さらに魅力的な空間になりそうです。

そこで今回は、3パターンの室内の間取りと庭をつくってみました。アンケートで共感度をお聞きしていますので、ぜひご参加いただき、ご意見をいただければと思います。
住まいのかたちアンケート 第3期12回「庭付き住戸」について

[Aプラン]「家事動線充実プラン」と「家庭菜園やDIYができる庭」
キッチンとダイニングがデッキバルコニーに面しているので、明るくなります。洗濯機置場がキッチンにあり、料理と洗濯といった家事の動線が近くなります。洗濯機もデッキバルコニーに面しているので、洗濯物をすぐに外に干すことができます。
大きな庭では、DIY作業スペースをつくったり、家庭菜園を設け、ハーブや野菜を育てることができます。広い庭で定期的にフリーマーケットやマルシェをしても楽しそうです。

[Bプラン]「窓向きの明るいキッチン」と「広い芝生」
キッチン・ダイニング・リビングが間口一杯に広がり、広々とした明るい空間になりました。キッチンを窓向きに配置し、庭を見ながら料理をすることができます。子供が庭で遊んでいる様子をキッチンから見守れます。
広い芝生の庭では、食事をしたり、プールで遊んだり、ミニサッカーをしたりとさまざまに使えそうです。

[Cプラン]「水まわり充実プラン」と「大きなウッドデッキバルコニー」
広い浴室とユーティリティが、広いデッキバルコニーとつながる間取りです。浴室から庭を眺めることができ、大きな窓があるので、換気もよさそうです。デッキバルコニーとユーティリティが近く、洗濯物を干す動線も短くなります。さらにキッチンとユーティリティも隣り合っているので料理と洗濯の家事動線も短くなります。
ダイニングはややコンパクトですが、デッキバルコニーにオーニング(日よけ)を出して、屋外ダイニングとして外での食事も楽しむことができます。

なかなかとれない広い庭のある団地の暮らし、いかがでしょうか。広い庭があれば、限られた室内スペースであっても屋外をつなげて考えることで、いろいろな暮らし方ができそうです。
新しい団地の過ごし方、みなさんのご意見を、ぜひお聞かせください。

住まいのかたちアンケート 第3期12回「庭付き住戸」について