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寄稿
3階建てにも適したSE構法/播繁(建築家)
column | 2008.4.1

検証「無印良品の家」 3階建てにも適したSE構法

私がSE構法に取り組むきっかけとなったのは、1995年1月に起きた阪神淡路大震災です。
私は建築構造家として実際に地震の被害の現場を見ておきたいという気持から、単身で被災地へと向かいました。当時、私は大手ゼネコンの設計部で大規模建築の構造設計に携わっていました。

神戸市の住宅街にたどり着くと、古い木造住宅が建ち並ぶ一帯は、倒壊した建物で道が塞がれ、救出に立ち入ることもかなわない惨状になっていたことに驚きました。震災で亡くなった方の多くは倒れた家による圧死だったと聞きます。
この時、被災者の方々に直に話を聞き、建築に関わる者として日本の住宅を何とかしなければと強く感じたことを思い出します。

かつての日本の住宅政策は、質より量を充実させる傾向にあり、今なお、木造在来工法の2階建て住宅を建てる場合、建築基準法で定められている構造計算はしなくてよいことになっています。
震災での木造家屋の倒壊は、さまざまな理由があると思われますが、建物の構造が曖昧なまま建てられていたことも原因と言えるでしょう。
私は長年務めたゼネコンを辞め、長野の「エムウェーブ」など大規模木造建築の経験を生かし、日本人の感性に適う端正な住まいの構法への取り組みを開始しました。
こうして生まれたのが「無印良品の家」にも採用されている、集成材を使ったSE構法です。
なぜ集成材なのか。工業製品である集成材は、無垢材とは違い性能が明確で、構造計算が可能な材料だからです。SE構法で建てられる家は、2階建てを含め物件ごとに構造計算が行われ、耐震性能を明確にしています。

都市部の狭小敷地で3階建てを建てる場合、SE構法は、通常の木造3階建てよりも壁を少なく設計できるので、吹き抜けやビルトインガレージなど、開放性を持たせたプランニングが可能になります。
「無印良品の家」のコンセプトは、SE構法によって支えられていると言えます。

播 繁

建築構造家。播設計室代表。SE構法を発案・開発した建築構造家。
1991~97年、KAJIMA DESIGNで構造設計部長を務め、集成材架構による大規模木造建築の第一人者として知られる。

2008年4月発行 無印良品の家カタログより

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