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連載:初心者スタッフより
ジョン・レノンの邸宅は、トイレが丸見え? 窓の家ならデザイン性のあるトイレに。
column | 2009.10.27

FUJI 男性・独身。結婚したいさかりなお年頃をやや過ぎてしまった。結婚のために家を買う、というのが人生の当面の目標。しかし貯金は少なく、実現はいつになることやら...。   CHAKA 女性・既婚・子どもあり。2年前に自宅マンションをリフォームしたが、思ったほど満足していない。歯に衣着せぬ辛口トークで他のスタッフに恐れられている。



みなさん、こんにちは。私(CHAKA)と、同じく無印良品の家スタッフ(FUJI)のふたりで、このたび新たな連載企画を始めることになりました。

無印良品の家には、皆さまからたくさんのご意見をいただいています。メールニュースやウェブサイトからご意見をいただくこともありますし、家づくり相談会や見学会などのイベントに足を運んでいただいた方、無印良品の家をご購入いただいた方などと対面してご意見をいただくこともあります。

そんなご意見に、まだ家を建てたことがない、いってみれば「プライベートでは家づくり初心者」なふたりでいろいろと考えてみようという連載企画です。おつきあいのほど、よろしくお願いいたします。

 

トイレは家の隅にすべきもの?"


さて、第1回目は、トイレについてです。記念すべき第1回目からトイレをテーマにするというのもアレな話なんですけど...、お客様からこんなご意見をいただいて、気になっていたのです。

「現在の住まいはマンションなので、どうしても「トイレ・バス」は密室(?)になります。これがとても嫌です。一番通気や換気に気をつけたい場所なのに...。戸建てなら窓などをつけて外向けにできますが、反対に防犯の面からは色々問題かもしれませんが。
個人的には開放的なといっても、使用目的がそれであるために、中々難しいところですよね。今までの家では(角、暗い、狭い)など文字通り「すみ」に追いやられていました。最近、台所が生活の中心となってきているように、トイレとバスの間取りについても重視されていますが、皆さんはどのように感じておられますか?
以前、何かのインテリアの雑誌にガラス張りのトイレとバスが窓際にあって、「いいなぁ?」と思っていました。これは極端ですが...。マンションでも何か良い案や工夫はないでしょうか?」


確かに東京都内など、都心部のマンションではトイレに窓がなく、玄関近くの隅のほうに配置されている間取りが多いですよね。


集合住宅では各戸に多くの窓を確保するのが難しく、窓が大きくとれる場所、つまり多くの場合は玄関と反対側の場所を、リビングダイニングなどに割り当てた間取りになりがちなんです。それゆえ、窓が必要ない(と考えられがちな)トイレは、玄関の近くになってしまうんですよね。


確かに、無印良品が提案する「自由が丘19スタイル」の間取りでも、トイレに窓がないからね。


こうした事情は、集合住宅だけでなく、ホテルなども同じです。デザイナーズホテルの中には、トイレやバスルームの扉や壁をガラス張りにして、明るさや開放感を実現しているものもありますよね。しかし、一般的な日本人の感覚としては、数泊しかせず、知人を招くこともないホテルであれば許せても、自宅のトイレがガラス張りで、廊下や洗面所から見えてしまうのは、受け入れがたいですよね?

 

ジョン・レノンは丸見えでも気にしない?


そういえば...、ジョン・レノンが住んでいた、ロンドン郊外のアスコットにある豪邸があるのだけど、知ってます? 『イマジン』のプロモーションビデオ撮影の舞台になったところなんだけど。リビングルームの端のほうにトイレがあるのだけど、扉も何もなくて、トイレを使うとリビングルームから丸見えで...、思春期の頃に見たので、ショックを受けた記憶があるなぁ。まぁ、ジョン・レノンは、アルバムジャケットでも全裸になっていたから...。


それは面白い話ですね。ジョン・レノンの邸宅が豪邸だから、多分、単にトイレがたくさんあって、ゲスト用のトイレはリビングルームとは別のがあるんだと想像しますが。まさかゲストに丸見えのトイレは使わせないでしょう?


そうか...。トイレって来客も使うものだから、寝室のように完全にプライベートな空間ではなく、パブリックな空間なんだよな...。


日本の住宅では、トイレは洗面所に隣接する間取りとなっていることが多いようです。同時に洗面所はバスルームに隣接し、入浴時の脱衣所としても使います。最近では、脱衣所である洗面所の扉は、トイレの扉と同じく鍵がかけられるようになっている場合が多いはずです。


でも、来客がトイレを使うときに洗面所を通過しなくてはいけないとなると...、ちょっと嫌ですよね。ほら、洗面所って、脱衣所も兼ねているわけだから、見えてはいけない洗濯物が見えてしまったり、洗面小物が散乱していたりする可能性もあるから。
トイレに出入りするのに、洗面所を通過しなくてもよい間取りにして、トイレ内に小さな手洗いがついていればいいのかな?


洗面所は手を洗うだけでなく、女性の場合はお化粧直しなんかにも使いますから、トイレに小さな手洗いがついているだけでは、使いにくかったりもしますし。


どうしたらいいのかな...。


洗面所の「洗面所」的な機能と、「脱衣所」的な機能を分離してしまえばいいんじゃないか、と思いました。
トイレと洗面所は、近くにあると便利です。バスルームと脱衣所も同じ。でも、バスルームとトイレが必ずしも近くにある必要はないのでは?
だから、バスルームの隣には脱衣所にもなる洗面所を設けて、トイレの隣には簡易な洗面所を設ける。あるいは、トイレをちょっと広めにして、その中に洗面を設けてもいいかもしれません。


でもそうすると、洗面台がふたつになるわけだから、場所をとりますよね?


そもそも...、トイレや洗面所は来客も使うパブリックな空間、バスルームや脱衣所は来客に見せたくないプライベートな空間と考えれば、一緒になっていることのほうがおかしいんですよ!と気付きました。
例えば2階建ての一軒家だと、1階にリビングダイニングルームがあって、2階に寝室があることが多いですよね。リビングダイニングルームは、来客も通すパブリックな空間で、寝室はプライベートな空間ですよね。ということは、トイレはリビングダイニングルームと同じ1階にあって、バスルームは寝室と同じ2階にあったほうがいいじゃないですか。


でも...、なんで一般的には、バスルームとトイレが一緒になっていることが多いのかな?


それが「常識の罠」ってやつです。昔は、「水まわりを2階に設置すると、もし水漏れしたときに、たいへんなことになる」という考えがあって、キッチンやトイレ、バスルームなんかは1階にするのが常識、とされていたんですけれど。でも、今の建築技術で、そんなことは気にする必要がないと思いますし。
トイレの隣や中に簡易な洗面所を設けたところで、家の床面積全体の中では、それほど無駄に間取りを使っていることにはならないと思うんですよね。それよりも、心地良く暮らせる、ってことのほうが大事じゃないですか。


確かに、寝室とバスルームが近いと便利だよね。昔だったら、お父さんがお風呂あがりにパンツ一丁で「あー、いい湯だった」なんていいながらリビングルームにふらりと入ってくる、なんてのが当たり前だったのかもしれないけど。


年頃の女の子だと、そんなの見たくない、って場合もあると思いますよ。


......。「昔ながらの間取り」だからしょうがなかった、というのはあると思うけどね。

 

トイレは臭くない


その昔、各家の浄化槽や下水道の整備が発達していなかった頃は、トイレは汲み取り式が当たり前でどうしても臭います。それゆえ、トイレは「離れ」に位置する場所、つまり家の間取りの隅に追いやられているのが当たり前だったんです。
しかし、今やトイレは水洗式となり、便座に脱臭装置がついているものも珍しくありません。ということは、トイレは家の隅に追いやられ、密室になっている必要がないようにも思うんですよね。


確かに...。家の中でのトイレの場所や、洗面所、バスルームの間取りなども、常識と思っていることに縛られずに、一から考え直してみてもいいのかもね。人が一生のうち、トイレで過ごす時間を計算してみると、意外なほど長い、っていうじゃない。何千時間にもなるんだって。


「施工例のご紹介」ページにも掲載していますが、Mさんご夫妻のお宅では、間取りの中でトイレの面積を非常に広く取り、海を眺められる小さな窓をつけられているんです。窓の大きさや位置を自由に決められる「窓の家」だからこそ、「トイレの時間もゆったりと過ごす」というデザインが可能になった、というわけですね。


トイレから海を眺める窓、ね...。すごい優雅さ。僕も婚活のために、そういう家、建てたいなぁ...。


家を建てる前に、お相手を見つけてください。


......。

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