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連載:初心者スタッフより
書斎がある間取りに憧れる? 書斎が持てないときにはどうする?
column | 2009.11.17

FUJI 男性・独身。結婚したいさかりなお年頃をやや過ぎてしまった。結婚のために家を買う、というのが人生の当面の目標。しかし貯金は少なく、実現はいつになることやら...。   CHAKA 女性・既婚・子どもあり。2年前に自宅マンションをリフォームしたが、思ったほど満足していない。歯に衣着せぬ辛口トークで他のスタッフに恐れられている。



今回のテーマは「秘密基地」です。皆さん、特に男性の方は、幼い頃に秘密基地に憧れたこと、ありませんか?

映画『スタンド・バイ・ミー』に出てくるような、木の上につくられた、秘密基地を使うメンバーだけがその存在を知っている小屋。それほど立派ではなくとも、『20世紀少年』に出てくるような、ボロいものでもいいのです。「僕たちだけが知っている」という優越感がいいんですよね。

人によっては、「秘密基地」ということばから、バットマンの基地とか、サンダーバードの基地とか、あるいは、ロボットアニメに出てくるような秘密基地を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんね。

とにかく、「秘密基地」ということばには、何だかワクワクさせられる響きがあります。今回、「秘密基地」というテーマを取り上げたのには...


ちょっと! 何、勝手にひとりで進めているんですか!!


いや...、今回のテーマの「秘密基地」なんだけど、個人的にもすごく気になるテーマなんで、ついつい......。そうそう、このテーマにしたきっかけなんだけど、こういうご意見があったんです。

つい先日、念願だった"マイホーム"を建て始めました。ところが、家を建てたことで、一家の大黒柱としての自分の責任を果たしてしまったように感じています。ちょっと、燃え尽きたようにも感じています。
自分が将来もその家に住むことが明快にイメージできず、どちらかというと、妻や子どもたちに家を残した、という実感のほうが強いのです。
家を建てる前は、その家での素晴らしい生活が待っているから、と思っていたのですが、ローンを組みおわり、家も着工した今となっては、「自分のためではなく、妻と子供が快適に暮らせる場所を設けた。資産を残した」という感覚が強いんです。
土日も仕事で出かけることが多いため、家にいる時間が短いせいもあると思いますが。

 

お父さんにはプライベートスペースがない


そういう話、聞いたことありますよ。せっかく一軒家を手に入れたんだけど、帰宅拒否症みたいな感じで、仕事が終わっても家にまっすぐに帰らずに、ついつい赤ちょうちんで同僚と一杯やってから帰宅する、とか。


確かに「日本のサラリーマンのお父さん」って、ちょっとそういうイメージがあるよね。


この話が、「秘密基地」とどう関係あるのか、よくわからないんですけど。


えとですね...、秘密基地ってのは、秘密基地を使う人だけがその存在を知っていて、秘密基地で何が行われているのかは、他の誰も知らないわけですよね?


ええ。


お父さんたちが秘密基地に憧れるのは、自分たちが秘密基地を持っていないから、なんじゃないかと思うわけ。


そりゃそうでしょ。秘密基地を持っているお父さんなんて、現実にはいませんよ。秘密基地は、映画とかマンガの中の話ですよ。


いやね、秘密基地ってのは例えであって、もちろん、現実に木の上に小屋を建てて、という話じゃなくてね。マイホームを持ったお父さんたちって、自分のためのプライベートスペースがないんじゃないかな、って話。それで、「自分のための家」って思いが持てないんじゃないかな、と。


ああ、それだとわかります。


子供がいる家族を想像すると...、母親でも父親でも、どちらでもいいんだけど、専業主婦(主夫)は、子供たちが学校に行っている間は、ひとりで家を使うわけじゃない。だから、昼間は家の中は主婦(主夫)のプライベートスペースなわけ。子供たちも、ある程度の年齢になると子供部屋を与えられるよね。もし、子供部屋が兄弟で共有だったとしても、学校帰りにどこかに遊びに行くとかして、うまく自分たちの時間や場所をつくりだしていると思うわけ。


それに対して、「日本のサラリーマンのお父さん」には、プライベートスペースがない、ってことですね?


そうそう。今どき、「自分専用の書斎を持つ」ってのは難しいわけだし...。それで、会社帰りに居酒屋なんかでウサを晴らす、ってことになってるように思うんだよね。


でも、それって、単に言い訳してるだけ、とも思えますが...。


ええーっ。


私は個人的には、お父さんが会社帰りに飲みに行って、ウサを晴らすのは賛成ですよ。家を建てる以上、どうしても予算の制限がありますし、その結果、お父さんのための個室がない、っていうのは仕方のないことだと思います。そりゃ毎晩毎晩、お父さんが飲んだくれて帰ってきたら困りますけど、たまにだったらいいじゃないですか。

 

書斎はなくとも、考え方次第で...


あるいは、家族なんだから、それぞれのプライベートスペースなんかいらない、っていう考えもあるじゃないですか。家族みんなが個室を持つのはたいへんですよね。以前、このサイトに掲載したコラムですけど、家族共同で使う書斎を設ける、とか、いろいろ解決法はあると思うんですよね。


以前、書斎について行ったアンケートでは、「個室として書斎が欲しい」という回答に、高い共感が寄せられていたけど、現実はなかなか厳しい、ってことね。無印良品の家を建てたお客様に、SOHOのために書斎のようなスペースをつくった方もいらっしゃいますけど、やはり独立した書斎をつくるお客様は少数派だもんね。


家族共同で使う書斎、とまではいかなくても、ダイニングテーブルとはまた別に、リビング部分にもテーブルを置いて、家族みんなが使えるようにすると、共有の書斎のようにも使えますよね。なんだか話が「日本のお父さんは、書斎が持てないから寂しい」みたいな感じになってますけど、いろいろ考えると、解決法はあるはずですよ。


そうそう、さっき話したお客様の家って、リビング部分が書斎みたいになってたよね。リビング部分には、お父さんの趣味の楽器とか、お母さんの趣味の本とか、子供の絵本とかDVDとか、家族の趣味のものが区別なく置かれてたっけ。話しをうかがったところ、家族がそれぞれ趣味のことをする場所、みたいな感じで使ってるって。こういうのって、書斎ではないけど、ひとつの解決法だよね。

 

お父さんが秘密基地に憧れるのは、寂しさの表れ?


で、書斎の話はここまでにして、『スタンド・バイ・ミー』の秘密基地の話に戻りますけど。


ん?


今、本当に『スタンド・バイ・ミー』みたいな樹上の秘密基地が持てたら、そこに寝泊りするんですか?


いや...、やっぱりそれはないよね。樹上の小屋だと、お風呂がないでしょ。家に着替えを取りに帰るのも面倒だし。あと、虫に刺されたら嫌だもん。今、秘密基地を持つんだったら、自宅とは別にワンルームマンションを持つとか、そういうのでしょ?


ほらね...、結局はそうなんですよ。映画とかに出てくる秘密基地って、決して住み心地がいいわけじゃないでしょ。『スタンド・バイ・ミー』の場合だと、現実の生活が辛くて、でも秘密基地に行くと、本当に親しい友達との心からの交流が出来て、っていうことがあるから、秘密基地が大切になるんじゃないんですか? 秘密基地に憧れることと、ひとりで居られるプライベートスペースを持ちたいっていうことは、根っこは同じ話ですが、微妙に違う問題のようにも思うんですよ。


そうか...。秘密基地で行われること、つまりは、心を許せる友達との交わりみたいなことが大切、ってことね。つまり、秘密基地に憧れるのは、今はそういうことができていない、っていう寂しさの表れ、ってこと?


私はそう思うんです。本当に秘密基地が欲しい、というよりも、子供のときのように、照れたりせずに友達に本心を打ち明けられるとか、そういうのに憧れてるのかなぁ、って。家の中にプライベートスペースがあるのは大事なことですけど、もし、プライベートスペースがなくても、子供が寝静まってから、夜、夫婦ふたりでお茶をして話をするとか、ホントにひとりで考え事をしたければ、家族みんなが寝てから、リビングルームを使えばいいわけですよね。


そうだね...。


だから、お父さんが、たまには会社帰りに友人と一杯やってから帰るのも、別にいいと私は思うんですよね。同年代の友達と話したいことってあるじゃないですか。私もそういうの、ありますもん。もちろん、たまには、ですけど。もし、ウチの夫が毎晩飲んで帰ってきたら許しません。


ま、毎晩は確かにアレだけど...。ということは、今のうちに独身生活を謳歌しておくか。


「今のうちに」って...、お相手が見つからず、この先ずっと、ってことにならないように気をつけてくださいね。


【今回のまとめ】

  • 人は「秘密基地」というものに憧れがちだ。
  • 「日本のサラリーマンのお父さん」は、自宅にプライベートスペースを確保するのが難しい。会社帰りに赤ちょうちんで一杯やるのが好きなのは、そのためかもしれない。
  • お父さんのための個室である書斎を持つことが難しい場合、その解決策は各自が考えなくてはならない。アイディア次第でなんとかなるはず。
  • 僕(あるいは、日本のサラリーマンのお父さん)が秘密基地に憧れるのは、実は心を打ち明け合う友人を持つことに憧れているのである。だから、今夜も赤ちょうちんで同僚と一杯やってしまいそうだ。


ちょ、ちょっと! 何、変なまとめを勝手にしてるんですか!


......。皆さんからのご意見もお待ちしておりますので、よろしくお願いします。

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