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連載:初心者スタッフより
新築住宅と中古住宅、どちらがお得? 家の価格は「安全・安心料」?
column | 2010.2.23

FUJI 男性・独身。結婚したいさかりなお年頃をやや過ぎてしまった。結婚のために家を買う、というのが人生の当面の目標。しかし貯金は少なく、実現はいつになることやら...。   CHAKA 女性・既婚・子どもあり。2年前に自宅マンションをリフォームしたが、思ったほど満足していない。歯に衣着せぬ辛口トークで他のスタッフに恐れられている。



ちょっと聞きたいんだけど、中古住宅を買うのって、どう思う?


あれ? 「家を建てる」のが目標だったんじゃありませんでしたっけ?


このところ毎日、不動産会社のサイトなどで、更新された物件情報をたくさん見てまして...。最初は土地を買うのに、どれくらいお金がかかるのかを知るのが目的だったんだけど、土地の情報だけじゃなくて、建売住宅とか、マンション、中古住宅なんかの情報も目に入るじゃないですか。すると、「中古住宅って、すごく安いのがあるな」ってことに気付いてさ。


前回も話しましたけど、日本の住宅市場では、何十年か経った中古住宅だと、「建物(家)」にはほとんど価値が認められなくて、土地だけの値段になったりしますからね。


でしょ。ということは、中古住宅だったら僕でも買えるんじゃないかな、って気がしてきたわけですよ。


新築一戸建てを販売している「無印良品の家」のコラムで、そんな話題をテーマに挙げるFUJIさんの度胸の良さというか、何も考えていないというか、そういうことはちょっと脇に置いておくとして...、個人的にはいいんじゃないかな、と思いますよ。


いやね、「無印良品の家 有楽町」にいらっしゃったお客様に、「無印良品の家以外に、マンションとか、建売住宅とか、あるいは中古住宅とか、他の選択肢は考えませんでしたか?」と尋ねたところ、

中古住宅のほうが新築よりも安いけれど、「自分好みの間取りにできる」ということを考えると、設計から相談できる「無印良品の家」にしました。


とか、

結婚を機に新居を求めたんですが、やはりせっかくだから、新しい家がいい、ということで夫婦の意見が一致しました。


というご意見があったわけですよ。これは僕も同じ考えなわけです。だけど、安く中古住宅を買ってリフォームすれば、このデメリットは解消できるわけじゃないですか。安く購入して、しかも新しいインテリアで、使い勝手のよい間取りを、って...。

 

「構造計算」ではなく、「壁量規定」で安全面を保証している?


うーん、さっきは賛成したんですけど、それだとあまり賛成できないですね。


あれ?


たくさんの中古住宅を見て回って、自分の暮らし方や家族構成に合った間取りの中古住宅を見つけられれば、「中古住宅は悪くない」と思うんですよ。でも、リフォームすれば、そのデメリットを解消できるだろう、というのは、ちょっと短絡的な考えかもしれません。


えっ?


「無印良品の家」では、すべての住宅に「構造計算書」をつけているんですけど、日本の木造家屋のほとんどって、「構造計算」がされていない、っていう話は前回しましたよね。でも、もちろん安全性に対して、何もしていないわけではなくて...、「壁量規定」というものがあるんですよ。


「へきりょうきてい」??


大雑把にいうと、「家の床面積に対して、このくらいの柱や壁、筋交い(すじかい)が必要ですよ」という指針です。たくさん柱や壁や筋交いのある建物のほうが、頑丈ですから。別に中古住宅に限らず、新築の建売住宅でも、一般的な木造住宅はこの「壁量規定」を安全の基準にしているんですね。


ふむふむ...。


で、この「壁量規定」ですが、第二次世界大戦後、大きな地震が起きて、古い木造家屋が大きな被害を受けるたびに、変更されているんです。1950年に建築基準法が定められたときと比べ、今では2倍以上の壁や筋交いが必要だ、という風に変更されています。


それはいい話じゃない。家を買う側の視点に立って、安全面を強化しているわけでしょ?


そうですね。でも...、「壁量規定」に沿って家を建てると、「たくさんの柱と壁、筋交いで家を支える」ことになるわけですから...、


なるほど、わかった!


あ、わかりました? 珍しく勘が冴えてますね。


日本の家の寿命が短い最大の理由は、「間取りの使い勝手が悪いから」じゃない。それは、つまり、「安全面から考えて、柱や壁がたくさん必要な家を最初に作ったから、その結果、間取りを変えにくい家が増えちゃった」というわけだね。


そうなんです。


なるほど...。となると、リフォームだからといって、むやみにその壁や柱を取り除いちゃったりすると、地震が起きたときに、危険だ、と。


そうですね。「壁量規定」をきちんと守れば安全な家になるわけですけど、どうしても間取りの自由度が減っちゃうわけです。


なるほどねぇ。


でも、それじゃマズいだろう、ということで、「無印良品の家」は、大空間を実現できるSE構法にした、というわけです。柱や壁に遮られない広い空間を手に入れつつ、構造計算書もつけて、安全面もばっちり、と。


そうか、中古住宅の間取りの変更は難しい場合があるのか...。よく、古い住宅をリフォームして、劇的に家が変わったりするものがあるけど、すべての中古住宅で、ああいうことができるとは限らないのか...。

 

地震大国・日本でも安全な家とは?


じゃあさ、もう間取りのことは目をつぶって、間取りを変更せずに、そのまま中古住宅に住むことにするよ。


そうですね。でも...、それでも安全面の不安は解消されませんよ。


でも、中古住宅といえども、「壁量規定」で安全面は保証されているわけでしょ?


その「壁量規定」を守っていても、大きな震災で倒壊している場合があるわけですから。長年の間に雨漏れやシロアリの被害にあっているのを気づかずにいると、家の土台部分の木材が腐っちゃったりすることがあるんですよね。そういう住宅は、建築時にいくら「壁量規定」を守っていても、地震のように横からの力が加わると、倒壊しやすくなっちゃうわけです。


そうか...。でもさ、ということは...、地震が多い日本では、木材って建築材料としてはよろしくない、ってこと?


いえ、そんなことはないんです。木材でもきちんと施工してメンテナンスを行い、工法も強度に配慮したものであれば、そんなことはないわけです。石材のような重い材料よりも、木材のような軽い材料のほうが、地震のときに家にかかる力が小さく、倒壊の危険性も低いんですよ。


なるほどね...。


また、一般的な木造住宅って、柱を木材の土台部分に接合するんですけど、SE構法の場合は「ハードジョイント」といって、柱をコンクリートの基礎に、鉄筋と金物を使って直接つなげているんですね。これも、地震などに備えて、安全性を高めようという配慮からなんです。


たしかに、中古住宅を買ってリフォームする、っていう考えじゃ、そういう家づくりの基礎的なところまでは簡単に手が届かないもんなぁ。


もちろん、安全面が若干不安な中古住宅を購入した場合、構造補強をする、っていうこともできるんですよ。安全面はそれでいいとしても、柱や壁の量を減らすのは非常に難しいですから、間取りを自由にできない不便さはどうしてもつきまといますね。


それで結局、リフォームじゃなくて、家を建て直す、っていうことになると、中古住宅を買うメリットだった「安さ」の意味がなくなっちゃうなぁ。


これからの日本は人口も減少傾向ですし、住宅市場に中古住宅がたくさん出てくるはずなんです。だから、「リフォームして使う」っていう発想はとても大切だと思います。集合住宅ではありますが無印良品でも「リノベーションプロジェクト」とかやってますし。ただ、リフォームすれば何でもできる、わけではないんですよね...。


なるほどね...。



【今回のまとめ】

  • 木造住宅には「壁量規定」という基準がある。一般的な木造住宅では、「構造計算」ではなく、「壁量規定」がその安全性を負っている。
  • 「壁量規定」は何度か変更されている。その都度、床面積に対し、必要な柱や壁の量は増えている。
  • 一般的な木造住宅は「壁量規定」のために柱や壁が多いので、希望通りにリフォームできるとは限らない。
  • 貯金も増えないし、本当に家が買えるかどうか、不安になってきている。


ちゃんと給与を毎月もらっているのに、どうして貯金が増えないんですか? 独身なのに、何にそんなに使っているんですか?


ほら、昨日は池袋駅前の居酒屋に行ったでしょ? 一昨日は、大学のときの友達に「飲もう」って誘われて、その前の日は、K課長に「新年会やろうよ」って誘われて...。


2月になって、何が「新年会」ですか! 飲みにいくための単なる言い訳でしょ。これまでは実は応援していなかったんですが、生活を改めるために、やっぱり頑張って結婚していただいたほうがよいような気がしてきました...。


僕もそう思います...。実は今日、二日酔いで...。

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