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連載:初心者スタッフより
子ども部屋が「○LDK」間取りの原因? 生活の基本は、夫婦ふたり?
column | 2010.3.2

FUJI 男性・独身。結婚したいさかりなお年頃をやや過ぎてしまった。結婚のために家を買う、というのが人生の当面の目標。しかし貯金は少なく、実現はいつになることやら...。   CHAKA 女性・既婚・子どもあり。2年前に自宅マンションをリフォームしたが、思ったほど満足していない。歯に衣着せぬ辛口トークで他のスタッフに恐れられている。



いつも同じ話題であれですけど、家を買う準備は進んでいらっしゃいますか?


うーん、それなんだけど...、もちろん肝心の予算のほうに問題があるんだけど、それ以外にも、いろいろ悩みはつきないんですよね...。最大の悩みは、やっぱり間取りのことかな。


間取りのことは、一室空間にしておけば、後で自由に変更できるじゃないですか。


それは、「無印良品の家」みたいに、ちゃんとした構造の家の場合でしょ? 前回の話じゃないけど、予算の問題もあるから、中古住宅にしようかな、って思ってるわけ。すると、簡単に間取り変更ができないから、どんな広さの家で、どんな間取りなのかが重要になってくるじゃない?


そうですね。まぁ、間取りの話が、このコラムの話題として、適切なのかどうかはわかりませんが...。


いや、そんなことはないと思うよ。「無印良品の家 有楽町」にいらっしゃったお客様からも、こんなご意見がありましたもん。

無印良品の家に決めた理由は、広い一室空間を実現できるからなんです。モデルハウスを見学したときに、子どもがどこにいても目が届く、というところがいいな、と思いました。

まだ子どもはいませんし、将来何人子どもを産むことになるのかも決めてません。だから、間取り変更が自由にできる「無印良品の家」なら、後々、家族構成の変化に合わせて自由に仕切ったりできるのでいいな、という理由で決めました。


お客様の声をうかがう限りでは、そんなに悩んでいらっしゃらないみたいですけど...。


いや、それは、「無印良品の家」がいいな、と思ったお客様が、モデルハウスにいらっしゃってるわけだから、当たり前じゃない。最初はみんな、僕みたいに、「家づくり初心者」だから、迷っているに違いない、と思う!

 

「子どものための間取り」は間違い?


間取りって、やっぱり子どもがいると、どうしても細切れになっちゃうと思うんだよね。ほら、子ども部屋とかが必要になるわけで。


確かに、間取りについてお客様にお話をうかがうと、そういう声はありますね。


でもさ、こう考えたわけよ。「たとえ、子どもがいようとも、子ども部屋はいらない、って考えれば、間取りのことに悩まされずに済む」って。家のなかは、すべて一室空間で、間仕切りとか壁とか扉とかは、一切なしにしてさ。


ちょっと極端だな、とは思いますけど...、確かに、その考えは、ひとつの考え方としてはアリだと思いますね。ウチもまだ幼い娘がいるんですけど、子ども部屋については考えなくちゃいけないな、と思っていたんですよ。まだ設けてないんですけど、いずれリフォームして子ども部屋っぽいスペースをつくるか、あるいは引っ越しをするか、って。


ほら、原始時代には、「間取り」なんていう概念とかなかったわけじゃない? 家族みんなで一緒の空間で生活すればいいんだよ! 食事も一緒、お風呂も一緒、寝るのも一緒、みたいな。


まぁ、その意見に、皆さんが同意してくれるとは思えませんけど...。ただ、確かに子どもひとりひとりに個室が与えられるというか、子どもにもプライバシーが与えられる、というのは、そんなに古い歴史があることではありませんよね。ヨーロッパなどでは、19世紀になって、中産階級以上の家に子ども部屋というものが生まれた、という説があるんですけど、それにしても、「子どものプライバシーを守る」ためのものじゃなくて、「大人のプライバシーを守る」ために誕生したんではないか、っていわれてますから。


そうなんだよね。部屋がたくさん必要なのは、子どものためだとしても、あるいは大人のためだとしても、「プライバシーを守る」ことが主な理由じゃない? ということは、そんな小さいことは気にしなければ...。


そんな人はFUJIさんだけです! 子ども部屋がないとしても、最低限、プライバシーが必要な場所ってありますから。トイレとか、脱衣所とかは壁で仕切らないと。あるいは、お客さんがいらっしゃったときに、寝室が見えないようにするとか。


そうか...。でもさ、夫婦ふたりだけだったら、個室はそんなにたくさん必要なわけじゃないでしょ? 例えば、よくある「2LDK」という間取りだと、寝室がふたつあるわけじゃない。一軒家だと、「3LDK」とか「4LDK」なんてのも普通にあるし。「○LDK」なんていう間取りで、そんなに個室がたくさんあっても、使い道がないでしょ?


それはおっしゃるとおりですね。仕事の一環として、一般のご家庭を拝見させていただく機会がけっこうあるんですよ。すると、共通しているのは、「○LDK」みたいな間取りに住んでいる方だと、ひと部屋をまるまる物置きみたいにして使っている方が大勢いらっしゃるんですよね。


ウォークインクローゼットみたいにしている、ってこと?


いや、ウォークインクローゼットみたいにしているんならいいと思うんですけど...。そうじゃなくて、「使わなくなったものが投げ込まれている」という感じでしょうか? そういうご家庭がけっこう多いことが、個人的にはショックだったんですよね。


でもさ、部屋が余ってるんだから、しょうがないじゃない。


その「部屋が余る」っていう感覚を受けて入れていることが、すべての原因なんじゃないか、と思うんです。部屋を物置みたいに使っていらっしゃる方にうかがうと、「将来、子どもが増えたときには子ども部屋にしようと思っている」というご意見が多いんですけど...。


確かにね...。もったいないといえば、もったいないね。一部屋ぶんの土地の価格とか、建築費を考えると、バカにならない値段なわけだから。


これって、すべてが「夫婦ふたり。子どもはひとりか、ふたり」という家族構成を標準に考えて、間取りが決められているからだと思うんですよね。


えっ? それが普通でしょ?


私の考えは、ちょっと違うんですよ。だから、「子ども部屋なし」という間取りに賛成なんです。

 

60歳からは、セカンドライフではなく、メインライフ?


私が家を購入したのは30歳過ぎなんですけど、そのときは夫婦ふたりで、数年間子どもはいなかったんですね。将来子どもを産むかもしれないな、とは思ったんですけど、あえて「子ども部屋」を意識した間取りにはしなかったんです。というのも、「家に子どもがいる期間」よりも、「いない期間」のほうが長いわけですから。


えっ? どういうこと?


子どもを育てるのって、子どもが二十歳くらいまでじゃないですか。その頃になると、大学に通ったり、働き始めたりして、独立してひとり暮らしを始めますよね。でも、今日本人女性の平均寿命って85歳くらいなんですよ。家を購入してから死ぬまでに50年以上あるんです。将来、子どもが大きくなったときに同居しないとすると、家に子どもがいない期間のほうが圧倒的に長いことになるんですよね。


なるほど...。


しかも、子どもが幼いときは、ローンの返済もあるので、私も働いてますから、自分が家にいる時間はそんなに長くないんです。子どもが独立してから、つまり私たちが歳をとって仕事を辞めるような年齢になって、夫婦ふたりに戻ってからのほうが、家にいる時間も長くなるわけですよね。


なんか、いろいろ考えてるなぁ。


そんなに広い家じゃありませんから、子ども部屋をつくったら、夫婦の寝室はなくなっちゃうんです。すると、実は親子間のプライバシーって守れないんじゃないかな、とも思いますし。


そういえば、先日、K部長と話していたときに、「今になって、小さい家にしておけばよかった、って思うんだよなぁ。変な話なんだけど、僕、けっこう大きい家を建てちゃったわけ。子どもにもそれぞれ個室が必要で、夫婦にも個室が必要で、って考えてさ。で、子どもが独立しちゃうと、いきなり家が広すぎることになるんだよね。なんか、人がいない、モデルルームみたいになってる部屋もあって。それで、カミさんとふたりで、大きな家は無駄だったなぁって話してるんだよね」って。「もっと小さくて、ローン返済の楽な家にすればよかった」っていってた。


家族それぞれが個室を持とうと思うと、どうしてもそうなりがちですよね...。


「間取り」だけでなく、家の「サイズ」そのものも、よく考えないといけない、ということだよね。



【今回のまとめ】

  • 「○LDK」という間取りの物件は、子ども部屋を確保するためにはよい。しかし、実際には物置代わりに使われていたりする。
  • 子どもと一緒に生活する期間は長いが、実は子どもがいない期間のほうがずっと長いのが一般的だ。
  • 子ども部屋に広い面積を割かないことで、間取りの自由度が高まるはず。また家の面積を効率的に使い、より狭い面積でもゆったり過ごせる可能性も高まる。


家を購入する、って、ほんとに大きな額の買い物じゃない。安いにこしたことはないよなぁ。


価格の理由が「広さ」なのであれば、うまく間取りを工夫すれば、安くすることもできるわけですから。子ども部屋に充てる面積を狭くするかわりに、リビングを広くして、収納も充実させる、とか。思春期の子どもがプライバシーが欲しいといっても、家にいる間じゅう、個室に閉じこもる必要はないわけですから、寝るとき以外はリビングルームを使えばいいわけですよね。すると、6畳の子ども部屋がふたつある代わりに、狭くても落ち着いて寝られるスペースが用意されていれば、残りの面積すべてをリビングにしてもいいはずですし。


個室が少ないと、廊下も必要なくなるし、その分の無駄が省けるね。


価格の問題だけじゃなくて、間取りがたくさんの個室に別れていないほうが、子どもが独立して夫婦ふたりの生活に戻ったときにも、使いやすいんじゃないでしょうか。あくまで一例ですけど。


んっ、やっぱり「食事も一緒、お風呂も一緒、寝るのも一緒」がいい、ってことね。


その前にお相手を...。(略)


また、このオチか...。(涙)

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