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連載:初心者スタッフより
南向きの土地や住宅は、ホントにその価格の高さに見合う価値がある?
column | 2010.3.23

FUJI 男性・独身。結婚したいさかりなお年頃をやや過ぎてしまった。結婚のために家を買う、というのが人生の当面の目標。しかし貯金は少なく、実現はいつになることやら...。   CHAKA 女性・既婚・子どもあり。2年前に自宅マンションをリフォームしたが、思ったほど満足していない。歯に衣着せぬ辛口トークで他のスタッフに恐れられている。



前回に続いて、いかに安く家を買うか、について話したいんだ!


どうぞどうぞ。


土地とかの価格を調べていると、同じエリアでも価格に違いがあるよね。やっぱり「角地」や「南向き」は、土地の価格も高いじゃない。だから、不人気な「南向きじゃなくて、角地でもない」土地に目をつけてみようと思うんだけど、どう?


まぁ...、価格の安さが一番重要なことであれば、いいんじゃないでしょうか? 私は個人的には、それほど「南向き信仰」もないんですよね。


その「南向き信仰」っていうことば、ときどき聞くよね。語感からすると、「南向きがいい、って世間ではいわれがちだけど、実は南向きには、それほどメリットはない」ってことだよね。ということは、「南向きじゃない」物件に目をつけている僕は、なかなか鋭い、ってことかな?


それは、ありませんね。やはり「南向き」には、いろいろとメリットがあるんですよ。だから人気もあるわけですし。


あ、そうなの...。


でも一方で、「南向きじゃない」ことのメリットも確かにあるんですよ。ちょっと、「南向きのメリット・デメリット」をまとめてみましょうか。


そういうの、やってもらえると助かるなぁ。


あれ、「まとめ」はFUJIさんの得意技じゃないですか。


そういう嫌味はいいから...、早く「南向きのメリット・デメリット」を...。

 

「南向き」住宅のメリット、デメリットって?


「南向きのメリット」は、こんな感じだと思います。

≪メリット1≫

建物の南側に大きな開口部や窓を設けると、一年を通じて、昼間の時間帯に建物内が明るくなる。

≪メリット2≫

冬になると特に建物内に陽光が届きやすくなり、室内が暖かくなる。

≪メリット3≫

南向きのベランダや干し場の洗濯物は乾きやすい。


そういえば、以前、「木の家」を建てたお客様のところにうかがったときに、「冬でも日中は明るくて暖かくて、昼の間は照明も暖房もほとんど使いませんね。光熱費が助かります」っていってたなぁ。


そうなんですよ。特に「木の家」は、夏と冬の太陽の高度の違いを計算して軒の長さを決めているので、「暑い夏は室内に陽光が射し込みにくいように、寒い冬は陽光が射し込みやすいように」なっているんですよね。


やっぱり「南向き」っていいのか...。確かに、前回のコラムで、南向きの家に関するご意見を募集したところ、たくさんのご意見をいただいたんですよね。すべてはとても紹介できないんですけど、いくつか紹介すると...、

第一条件にしたいくらい、南向きが重要です。西向きだけは絶対避けたいです。(抜粋)

住宅選びを始めるまで、「南向き」という概念があること自体を知りませんでした。妻と暮らし始めるまでの実家が東向きだったこともあって、あまり日光に対する執着もなかったのですが、今では南向きが大好きになりました。 ...... 「風通しのいい」「南向き」が、一番大好きです。 エコで自然のエネルギーを利用して生活が出来るので、とても満足しています。 (抜粋)


こういうご意見を聞くと、「やっぱり南向きがいいな」と思うじゃない。ということは、「北向き」とか「西向き」は人気がなくて、安くなるんだろう、と踏んだわけ。


そうですね。そういう意味では、FUJIさんの意見は正しいですよね。でも、「南向き」にも、もちろんデメリットはあるんですよ。

≪デメリット1≫
人気があるため、 「南向きの土地」や「南向きの建売住宅」、 「集合住宅の南向きの部屋」は、購入価格が高くなる傾向がある。

≪デメリット2≫
南向きの部屋は、フローリングやカーペット、あるいは家具に直射日光が当たりやすく、退色しやすい傾向がある。

≪デメリット3≫
仕事などをするには、南向きの部屋の窓際は明るすぎる場合がある。日陰になる北側の窓辺のほうが、日中落ち着いて過ごしやすい、という意見もある。

≪デメリット4≫
家の南側に庭を設けると、庭を眺めたときに逆光になってしまう(つまり、北側に庭を設けたほうが、庭が美しく見える)。


まぁ、1番目は、もともと話していたことだけど...。


2番目の問題も、先ほどいった「軒の長さを計算する」ことで、クリアできますよね。


3番目の問題は、そういわれてみれば、って感じだよ! 今思い出したんだけど、実は、実家にいたときに、僕の勉強机が窓に面して置かれてたわけ。ほら、普段は日中は学校に行ってるじゃない? だけど、夏休みとか冬休みになると、窓が眩しくて、日中はカーテンを閉めっぱなしにしてたんだよねぇ。あれ、よく考えると、南向きの窓だったもん。だから、勉強がやりづらくて、しょうがないからベッドでマンガを読んだりしてさ。


勉強せずマンガを読むための単なる言い訳にしか聞こえませんけど...。


まぁ、それは置いておいて...、こんなご意見もありましたね。

主婦の目線でいうと、南向きの家は、洗濯物がよく乾く、お布団が干せる、室内が明るいなど、メリットは多いですが、私の個人的な意見としては、そこまでこだわりはないのが本音です。というのも、別に南向きでなくても洗濯物は乾くし、お布団も干せる。明るさも、窓の取り方次第でカバーできるのではないでしょうか。(抜粋)


こういう人は、僕と土地探しのライバルになるから困るなぁ...。


そんなくだらない心配は不要です!

 

「南向き信仰」には理由がある?


しかし、こうやって考えると、「南向き」が人気な理由がよくわかるなぁ。


ヨーロッパなどでは、緯度が日本よりも高い地域が多いので、「日光を浴びる」ことに対する欲求が日本よりも強い傾向があるんですよ。特に緯度が高い地域では、休日に公園に行くと、大勢の人が日光浴をしてたりします。でも、家に関しては、いわゆる「南向き信仰」ってそれほどない、っていわれてるんですよね。ヨーロッパの住宅って、石造りのものが多く、壁が建物の重量を支えるので、壁に大きな開口部を自由につくりにくいんです。窓はあくまで小さく、「風穴用」「採光用」であって、家自体が「○向き」という概念自体が弱い、というのが理由です。


なるほどね。「石づくり文化」だからか...。


日本は木造住宅の伝統があって、柱が建物の重量の多くを支えるので、大きな開口部をつくりやすい。だから、大きな開口部である「庭に面した縁側は、南向きがいい」という「南向き信仰」が生まれたんじゃないかと思うんですよね。SE構法の「木の家」は、構造的には、そういう「開放的な日本家屋」の文化を受け継いでいる、といえなくもないですよね。


ふむふむ。


まぁ、日本は農耕文化なので、作物を育ててくれる太陽を大切にし、その結果、南向きの建築物が多い、という説もありますし、一概にはなんとも言い切れませんけど。それよりも、日本人が「きれい好き」であることが、「南向き信仰」に一役買っているとは思いますね。「ふとんを干す」なんていう文化は、ヨーロッパではそうそう見られないですから。


そうか、ヨーロッパの人はふとん、干さないんだ!


その理由には、ベッド文化と、敷きふとん文化の違いもあると思いますけど。あと、日本は、高温多湿な気温ですよね。カビなども繁殖しやすいですから、日当たりがよく、さらに風通しがよい住宅が好まれた、ということもあると思いますよ。


確かになぁ。気候のこともあるね。


そう考えると、南向きのメリットは、デメリットよりも大きいですよね。


うーん。しかし、僕の予算が...。


でも、こう考えるべきですよ。「南向きだからすべて良し」ではなく、「南向き住宅のメリットが、自分の生活にとってどれほど重要なのか」という観点から考える、と。日中、家にいる頻度はどのくらいなのか、とか。前回のお話のように、都心部の狭小地に家を建てるのであれば、隣家との距離が近い場合も多いですし、南向きだからといって、大きな窓を設けても、意味があまりないかもしれませんよね。


ふむふむ...。


他にも、東向きであれば、朝日が射しこんで、規則正しく生活しやすい、ともいわれていますね。


あ、それ重要かも。


まぁ、最後に「南向きのメリット」をもうひとつ挙げておくと...

≪メリット4≫
やはり「南向き」が人気があるので、後々物件を売ることになったときにも、より高い価格で売れる可能性が高まる。


そうかぁ、そうだよなぁ。まぁ、それは仕方ないか...。今回はスッキリしたよ!


さらにいえば...、家を建ててもひとりで住む予定のFUJIさんは、日中はほとんど家にはいないわけですし、あまり南向きのメリットはないかもしれませんね。価格のことを考えると、南向きじゃないほうがいいかも...。


そ、そんなことはないよ! 僕もいつかは奥さんや子どもと...、家族と一緒に...、って最後はまたこのネタか...(涙)。


あれ? 「最後」って、いつもの「まとめ」はしないんですか?


今回は、僕が「まとめ」をやらなくても、CHAKAさんがしてくれたじゃない。


いっておきますけど............、そろそろこのコラムは、FUJIさんひとりでやっていただこうかな、と思っているんですよ。


えーーーーーーっ!


「えーーーーーーっ!」って、そんな驚いたりしてもダメですよ。ちゃんとひとりで、「初心者が家を買う」ことのコラムを書いてください。これ、仕事ですから。ほら、ウチの部署って、仕事だから当たり前ですけど、みんな住宅のことに詳しいじゃないですか。FUJIさんみたいに、あんまりわかっていない人は、稀な人材なんですよ。その才能を活かすためには、ぜひFUJIさんおひとりで、ってことで。ぜひその類稀なる厚顔無恥さを活かして、「体当たり企画」みたいのをやってもらいたいなぁ、と。


誉められてる、のかな? それなら頑張っちゃうよ!


(ホント、扱いやすくて楽だなぁ。)


ん? 何かいった?

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