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住まいのかたちコラム
一緒に食事をするのが家族です
column | 2008.3.18

コウハウジングでの生活
コウハウジングというものがアメリカにあるのをご存知でしょうか。
10世帯から30世帯の規模で一緒に集まって暮らす住宅のことです。
敷地の中にはみんなが一同に集まることができるセンターハウスを作り、毎日食事を一緒にしています。食事係は当番制で、住人は月に1~2回の食事当番をこなします。30家族が毎日一緒に食事をするわけで、そこに大家族が生まれることになります。それまで別々の人生を送ってきた人達ですが、その絆は血縁よりも濃くなると言います。

確かに毎日一緒に食事をするというのはお互いのあらゆることを知っていくことになるでしょう。お互い年齢も家族の形態もさまざまな人同士が助け合い、それぞれができることをしていくのです。
例えば、お年寄りが小さなお子さんの面倒をみたり、元気な若者がお年寄りのお世話をしたり、まさに大きな家族なのです。こうした住宅の作り方は、もともと北欧で発達したコレクティブハウス(年齢を超えてさまざまな人たちが一緒に住む住宅、日本語では相互扶助住宅という)から生まれた考え方です。それがアメリカでコウハウジングという呼び方に変わって進化したのです。

コウハウジングは、作る時から住人が参加します。車は敷地内に入れないとか、植える樹木は実のなる木にするとか、大工道具やレジャー道具もみんなで共有するとか、集まって住むメリットを考えながら、一緒に住むルールをみんなの合意で決めていくのです。こうしたプロジェクトをサポートしていくための専門のコーディネーターが存在し、その人たちの手を借りながら自分たちの住まい作りを完成させていきます。日本でいうコーポラティブハウスというのに似ていますが、決定的に違うのは前述の「食事を毎日一緒にすること」なのです。

アンケートの結果から、家族の絆を考える
先日の第2回目のライフスタイル調査アンケートの中で、夫婦2人で何をして過ごすかという質問に、2人でおしゃべり(76%)、料理をする(42%)、片づけをする(42%)など、食を中心にしたコミュニケーションが夫婦の間でもずいぶん多い回答となっています。おそらく夫婦だけでなく、家族の絆も食を中心に深まっていくと考えられます。
食事をしながらあれこれと一日の出来事を話しあう。家族だけでなく友達や、離れて住む両親を呼ぶ。やはり食事はコミュニケーションの中心と言えそうです。

また、第3回アンケートの結果からも、家族の風景がいろいろ想像できます。リビングルームで家族がくつろぐというのもありそうな風景ですが、それよりも日本人の記憶に残っている風景としては、テレビの前のちゃぶ台で家族がにぎやかに食事をしている方がなじんでいるようです。
例えば、サザエさんの家の食卓風景のような感じが、日本人の家族のコミュニケーションの原風景のようにも思えます。アメリカから入ってきたリビングルーム文化は、日本人が考える家族の団らんのイメージとは少し離れているようにも思えます。子供が学校から帰ってきたらちゃぶ台で勉強したり、お母さんの手伝いをしながら過ごしているのは、私たちにとって自然なことなのではないでしょうか。

実は子供たちの個室ができたのは、この30年ぐらいの出来事なのです。そして個室の弊害も生まれました。家族のコミュニケーションがとりにくくなってしまったのです。
今もう一度、家族の絆を見直したいと思います。絆は食事から生まれます。
「一緒に食事をするのが家族なのです」

2008年3月18日配信 無印良品の家メールニュース Vol.79より

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