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住まいのかたちコラム
暮らしには美意識が必要
column | 2011.8.16

日本の経済はピークも迎え、これからは横ばいか、または下り坂になっていくといわれています。
そうした中で、暮らし方はどのように変わっていくのでしょうか。
30年後、みなさんはどのような暮らしをしているのでしょうか?

子供が成長して夫婦二人の世帯になったり、もしかすると一人で暮らしているかもしれません。
戦後急成長してきた日本人の暮らしは、家の面積に対して、いつもものがあふれていました。
でもかたちあるものはいつかなくなります。エネルギーもそうです。化石燃料の枯渇は、確実に我々の暮らしを変えていくでしょう。

暮らしにとって大事なことは何でしょうか。
家はものの収納場所ではないはずです。家で過ごす時間の質が大事になってくるのではないでしょうか。限られた家族の絆や一人暮らしの人にとって、家族や仲間と過ごす時間は大切なこととなるでしょう。
社会が発展するときは、みんな外に向かって社会全体が動いていました。仕事が終わっても、家の外で過ごす時間も多かったことでしょう。でもこれからは内に向かっていく時代かもしれません。

ではどんな暮らしになるのでしょうか。

一言で言うと美意識のある暮らしです。成熟した時代は、あるもので暮らしていく、丁寧な暮らしへと向かっていくのではないでしょうか。できるだけものを持たずに、大切なものを長く使う時代です。たくさんのものを持たないと決めれば、その中で選ぶ一品は、手作りのものや、そこに心がこもったものを選ぶようになるでしょう。
いったんものを捨ててしまって、少ない物で暮らし始めると、思いのほかものはいらなくなります。「もの」の代わりに「心」が大切な暮らしへと変わっていくのです。
長く使えるものは、30年後には捨てられることなく、ほとんどがリサイクル、リユースされ、また誰か人の手に渡っていくことでしょう。こうした世の中の価値観の変換は、成熟した時代の宿命とも言えますが、それはとても豊かなことだと思いませんか。

日本の文化はもともと簡素で簡潔でした。この簡素で簡潔、そしてさらに清潔な我々の文化には美意識があります。ものを持つという欲求から、ものを持たずに美しく暮らす、というとても理性的な時代になるのだと思います。
そのときに自分の暮らしをどうしたいのか、自分で決めていくことがとても大切になります。なにも考えずに過ごしていくと暮らしはどんどん肥大化していってしまいます。

自分にとって大切なことを守っていくということは、理性的です。そして手間がかかります。
必要でないものを排除して、少ないもので暮らすことで、大切なものが見えてくるでしょう。人にとって本当に必要なものなどほとんどないと言ってもいいかもしれません。暮らしの豊さはものの量に反比例するのかも、と思えてきます。

日本の30年後の暮らしは、豊かで、丁寧で、そして美しい暮らしが訪れるでしょう。
そのために必要なことは、自らの美意識をもち、自分で自分の暮らしを考えていくということだと思うのです。

みなさんは30年後の暮らし、どのように考えますか?
30年後に捨てられることのない、あなたの暮らしの中の「もの」を教えてください。

みなさんのご意見・ご感想を
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