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住まいのかたちコラム
都市に住む(後編)
column | 2014.4.1

前回のコラム「都市に住む(前編)」では、限られた都市部の戸建てであっても、これまでのnLDKという「間取り」の既成概念を変えることで、「狭い」という感覚も変えられるのでは?というお話をしました。
今回は都市に住む際に、「狭さ」とともにデメリットとなりそうな、日当りと風通しについて考えてみます。

日本の伝統的な家づくりにはもともと、四季折々の太陽の光や風のような自然のエネルギーを最大限に利用するための知恵が詰まっています。冬の暖かい日射しを取り入れるために南側に大きな窓を設ける、というのは、誰もが知っている知恵の一つです。しかし、この「南側にはなるべく窓を」という知恵が固定概念となり、周囲に建物が隣接していて1日中日陰となるような1階であっても、とにかく南側には大きな窓を設けてしまう、というケースはないでしょうか。そのような窓は、いくら南側でも、家の熱を逃がす出口となるばかりではなく、採光の役割さえきちんと果たせません。それでは、せっかく南側に窓を設けても、結局日当たりの悪い1階の部屋は寒くて暗い、ということになってしまいます。

そこで、都市部の住宅密集地でも、なるべく自然エネルギーを活用して快適に暮らすための、新しい知恵を考えてみましょう。
まず、冬の太陽熱の取得について考えます。都市部の住宅密集地ではあっても、例えば3階建てなら、屋根面や3階、2階の一部には日は当たるはずです。そういう場所を意識して窓を設けることで、日射しを効果的に取り入れ、冬に太陽熱を活用出来そうです。

また、採光や風通しについては、北側であっても、道路に面するなどして、隣接する建物との距離が取れている場合には、大きめの窓を積極的に設けることで、直射日光は入らなくても、間接的に家の中を明るくすることができますし、風も通りやすくなります。

そして、このように取り付ける場所や大きさを工夫した窓から得られる「暖かさ」や「明るさ」「風通し」を、家中にいきわたらせる通り道をつくっておくことで、都市部であっても日中は日差しの力で暖かく、そして1階でも明るい家ができそうです。

具体的には、階段を光と風が抜けるようなデザインとし、家の真ん中に持ってくる、というのはどうでしょうか。普通は人が昇り降りするためにしか使われない階段を、光や風、そして暖気(夏は冷気)の通り道にしよう、というわけです。

狭い空間の真ん中に階段室が来ると、余計狭く感じると思われるかもしれませんが、このようなデザインなら、視線も通り、コラム前編で述べた、「狭さ」を解消する効果も期待できそうです。

窓の場所、大きさを工夫し、そこから入る暖かさ、光と風の通り道をつくる、というデザイン面の配慮と同時にもう一つとても重要なポイントがあります。それは家そのものの断熱性能です。

3階建てのように縦に伸びる空間の場合、家の断熱性能が悪いと、1階と3階の温度差ができやすくなります。特に1階に日が当たりにくい家では、その現象はより顕著になります。日中3階の大きな窓から入る暖かい日差しを、上記のような階段を通して家中にいきわたらせ、夜まで逃がさないようにするためには、普通の家より高い断熱性能が必要になります。

ではどのくらいの断熱性能があれば良いのでしょうか? 「無印良品の家」では、実際にこのような空間と日当たり、通風に制約のある都市部でも、広く快適に過ごせる家のデザインと性能について具体的に考察を進めています。

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