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住まいのかたちコラム
「間取り」で家の寿命は変わります
column | 2014.8.12

「永く使える」家とはどんな家?
家は、住み手の経済的負担や環境への負荷など、難しいことを考えるまでもなく、永く使える方が良いにきまっています。ではどんな家が「永く使える家」なのでしょうか。
前回のコラムでお伝えした耐震性能や、耐久性能(劣化対策)に優れ、さらにメンテナンスしやすい、などの特長が最低限必要なことになります。
しかし、これらは物理的に家の寿命を延ばすための条件で、この条件だけでは「永く使える家」にはなりそうにありません。
日本の家は欧米に比べて寿命が短い、とよく言われますが、日本の家が早々と壊されてしまう、あるいは使われなくなってしまう理由は、必ずしも物理的な寿命が来たから、という理由だけではないのです。

「快適」でなければ永く使われない
国土交通省が5年ごとに実施している「住生活総合調査」で報告されている「住み替えの目的」の第1位は、「快適・便利な住宅にするために住み替えたい」です。つまりどんなに丈夫な家を建てても、快適・便利でなければ永く使ってもらえないというわけです。
なにをどう「快適」と感じるかは、住み手の感覚や生活スタイルによっても変わってきますが、少なくとも家の快適性の基本といえる「断熱性能」も、一定以上の高さが求められるということになります。
「便利」については、給湯器や便器、浴室、キッチンなどの住宅の設備によるところが大きいでしょう。家を永く使う場合、こういった設備類は進化のスピードが速いので、どんどんより便利な機器が出てきますから、将来交換しやすいような設計・配慮が必要ということではないでしょうか。

そして「住み替えの目的」の2位は「高齢期にも住みやすい住宅や環境にするため」、3位は「子どもの誕生や成長などに備えるため」となっています。
2位の場合は高齢期、3位は若年期と、少なくとも人生に2度大きな生活スタイルの変換期があり、その際にそれまで使っていた家の間取りが新しい暮らしにそぐわなくなる、ということだと思います。

子ども部屋や、クローゼット・納戸に書斎や家事室。建てるときに欲しいと思った間取りを実現して、しばらくは満足していても、子どもたちが自立すると、使い勝手の悪い小さな部屋ばかり残り、掃除や手入れも大変なので住み替えたい、というケースも多いのではないでしょうか。つまり、最初に一生懸命つくりこんだ「間取り」のために、その家は永く使えない家になってしまう、ということが起こりうるのです。

小学校の入学に合わせてつくった子ども部屋。その部屋は高校生になってからも使えますか。子どもが独立して家を離れたら、誰が部屋を使うのでしょう。家族は日々成長し、家族の暮らし方も変化していきます。「今」の家族に合わせて考えた家が、10年後の家族に合わなくなり、建物はまだ使えるのに、構造の都合で間取りの変更ができず、壊して建て直すことになってしまう。そうした事例は多く、それが日本の住宅の寿命を短くしてきた理由の一つとされています。

この問題は家の「性能」で解決できる問題ではなさそうです。
そこで、図のように「長期間変わらず、頑丈で断熱性能の高い骨格(スケルトン)」と「自由に変えられる間取り・設備(インフィル)」を最初から分けて考える=「スケルトン・インフィル」という発想があります。

こうすることで、スケルトン(骨格)の耐震性・耐久性・快適性(省エネ性)はそのままに、最初に設定したインフィル(間取り・設備)が後々暮らしの変化に伴い、使い難くなったときでも、その暮らしに合わせて変えていくことで、ずっと「暮らしに見合った家」で在り続けられるのです。暮らしを家に合わせるのではなく、家が暮らしに寄り添って変わっていく、という考え方です。
無印良品の家の基本コンセプト「永く使える、変えられる」は、この「スケルトン・インフィル」の考え方をかたちにしたものなのです。

家を永く使うためには、「間取りを最初からつくりこまない」という発想、皆さんはどう思われますか? ぜひご意見をお聞かせください。

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