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住まいのかたちコラム
新性能、価格の理由
column | 2015.8.4

無印良品の家は発売開始10年にして、基本コンセプトはそのままに、初めて家の性能を大幅に見直しました。(前回のコラム「今考えられる「最高性能」を備えた無印良品の家」もぜひご覧ください。)
今回見直された無印良品の家の新性能は、無印良品の家の基本コンセプトをより高いレベルで実現することを目指した結果、耐震性能も断熱性能も、10年20年先まで通用する高い性能値を実現していると自負しています。
通常は、これだけ高い断熱性能と耐震性を実現すると、かなり価格が上がりそうですが、今回の性能改定では、「え?それだけ?」と思わず言ってしまうほどの価格設定になっています(木の家価格表窓の家価格表)。
今回は、その価格の理由(わけ)についてお話ししたいと思います。

この無印良品の家の価格のリーズナブルさは、実は「木の家」の基本コンセプトと密接な関係があります。
その基本コンセプトとは、暮らしの変化に寄り添い、ずっと永く快適に使える、真に資産価値のある家であることです。その実現のために以下のような具体的な「家のかたち」を、2004年の販売当初から提案してきました。
それは、家族がお互いの気配を感じながらのびのびと暮らせ、後々の暮らしの変化に合わせて設えを変えられる開放的な一室空間という間取り、そして、南面の大きな窓と深い庇(ひさし)により自然のエネルギーを上手に使うパッシブデザインです。

このような一室空間は、一般的には地震に弱く、冬寒く、夏暑くなりやすいので、構造材を補強したり、断熱材を厚くするための余計なコストがかかってしまうと考えられていますが、「木の家」は、販売当初よりその常識を打ち破り、10年間にわたって、リーズナブルな価格で提供し続けてきました。

その価格の秘密は、建物の構造強度を、最初から間仕切りの柱や壁に頼らずに、もともと強固な構造金物(SE構法)を用いて、矩形のグリッドを組み合わせ、1棟1棟ごとの構造計算に基づき、柱や梁を無駄に太くすることなく、整然と配置することで、美しくかつ、強靭な耐震力を実現さることができているからです。
断熱性能についても、大きな窓を配置した「木の家」の一室空間は、窓ガラスが熱を逃しやすい性質のため、家全体の断熱性能値がどうしても落ちるがために、通常の家より断熱材をかなり分厚くしなくては、とても快適に過ごせる家にならないのですが、きちんと夏と冬の日差しの入り方や、風の抜け方を考慮したパッシブデザインと、構造計算同様に1棟1棟の家について全体の必要エネルギーを計算することで、パッシブデザインの効果を確認しているので、余計な断熱材を増やすことなく、廊下や(そもそも一室空間なので廊下がないのですが)トイレまで含めて、少ないエネルギーでどの場所も快適な温度に保てる家を実現しているのです。

このように、何もない空間を、その時々の暮らしに合わせて使い、自然の営みを常に感じながら上手にその恩恵を享受するという、私たち日本人が愛してやまない、茶室のような簡素簡潔な空間は、計算され尽くされたデザインと高い技術で、はじめて現実的な価格でつくることができているのです。


無印良品からのメッセージ「茶室と無印良品

今回の性能改定でも、これまで同様、特に一室空間という大空間を構成する構造材について、ただ構造を強くするために構造材をむやみに太くするのではなく、家全体をより合理的にシンプルにすることで、より強く、そして価格アップを抑制する、という手法を取っています。
具体的には、より合理的でシンプルな構造で耐震性能を上げながら、シンプルゆえに実現できる加工やデリバリー方法を工夫し、むしろ構造に関しては、全棟耐震性能最高等級(3等級)とスペックアップしながら、コストダウンに成功しています。

逆に、家全体の断熱性能を次世代に向けて、さらに上げるためのダブル断熱や、太陽光や風などの自然の力の入り口となるパッシブデザインを支える「木の家」の大きな窓はそのままに、断熱性能を落とさないトリプルガラスについては、どうしても譲れないところなので、全棟標準とすることでメーカーのご協力もいただき、通常よりコストを抑えながら、採用に踏み切っています。
その結果、トータルでは価格のアップを最小限に抑えて、未来に向けて望むべく耐震性能も断熱性能も、手に入れることができたのです。

皆さんは、このような簡素簡潔を追求することで、品質・性能を上げていく家づくりについてどのようにお考えになりますか。ぜひご意見をお聞かせください。

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