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住まいのかたちコラム
家と敷地のつながりを考える
column | 2016.6.14

「家」は、私たち「人」が暮らす器ですから、当然住む人とのつながりを最優先にして考えます。しかし、その家そのものは敷地の上に建っているのですから、敷地とどうつながるかも考えなくてはなりません。
敷地という地面があって、基礎があって、その上に家本体が乗っている、という垂直方向のつながりと、家と庭、カーポートや通路・アプローチという水平方向のつながりがあります。そしてその水平方向のつながりの先は、お隣の家や庭、道路、そして街へとつながっていきます。
[家]→[庭・カーポート・アプローチ]→[近隣・道路]→[街]という広がりは、結局そこに住む人の暮らしにつながる訳ですから、家と敷地、敷地と街の関係を考えることは、家を設計する上で、とても大事な要素になるわけです。
ところが、実際に建てる土地が決まって、家の設計作業に入ると、その土地の道路付けと方位から、意外に安易に家と敷地の関係性を決めてしまう場合が多いようです。

そこで、今回は仮に、10m×12mの120m²(約36坪)の西側道路という敷地に、今は将来なんとなく子供は2人欲しいと思っている30代夫婦が家を建てる、と想定した家の配置とプランを、具体的に考えてみます。
(実際には、建ぺい率/容積率や、北側斜線、有効採光など、家を建てる際には、建物が単純に収まるかどうか以外に様々な法律[地域によってその内容は異なります]がありますが、今回は話を「家と敷地の水平方向のつながり」に絞るため、それらはとりあえず置いておきますのでご了承ください)

家と敷地の関係1
家と敷地の関係2

家と敷地の関係1」は、とにかく敷地に目一杯家を配置した例です。しかしこれでは、カーポートどころか庭もアプローチも取れず、あまり現実的ではありません。
そこで、家を南北方向に少し小さくし、カーポートをつくったのが「家と敷地の関係2」です。庭らしい庭はありませんが、このような配置計画でプランを少し考えてみると、以下のようなプランが考えられます。

窓の家 4間半×4間半 南入りプラン

  • 建築面積:
    67.07m²(20.28坪)

  • 1F床面積:
    67.07m²(20.28坪)

  • 2F床面積:
    53.82m²(16.28坪)

  • 延床面積:120.89m²(36.56坪)

これなら、延床面積が36.36坪あり、将来子供が2人になっても余裕があります。
でも、かなりプランに余裕があるので、もう少し家を小さくしてみるとどうなるか、考えてみましょう。

家と敷地の関係2
家と敷地の関係3

今度は、「家と敷地の関係3」のように、東西方向を8.19mから6.37mに思いきって小さくしてみます。これだと、カーポートとアプローチの位置を道路側に持って来られるので、南側に庭専用のスペースが生まれます。
このときのプランは、こんな感じです。

窓の家 3間半×4間半 北入りプラン

  • 建築面積:
    52.17m²(15.78坪)

  • 1F床面積:
    52.17m²(15.78坪)

  • 2F床面積:
    44.71m²(13.52坪)

  • 延床面積:96.88m²(29.30坪)

このプランの延床面積は30坪もなく、ひとまわり広さは小さくなりますが、間取りや機能がそがれることがないため、全然問題なさそうです。むしろ、小さいながらも南に庭ができて、未来の子供たちも喜んでくれそうです。また、小さい菜園をつくってみるなど、暮らしの幅が広がりそうです。
なんだか、もう少し家を小さくして、庭を広く取りたくなってきました。

家と敷地の関係3
家と敷地の関係4

さらに家の南北のサイズを、8.19mから7.28mと縮めてみたのが「家と敷地の関係4」です。しっかり南側に庭らしい庭ができてきました。でもさすがに家がコンパクトすぎるかもしれません。
それでも、こんなプランができます。

窓の家 3間半×4間 北入りプラン

  • 建築面積:
    46.37m²(14.02坪)

  • 1F床面積:
    46.37m²(14.02坪)

  • 2F床面積:
    38.92m²(11.77坪)

  • 延床面積:85.29m²(25.80坪)

おや? 延床面積が25坪しかないのに、子供2人分のスペースも十分取れて、これでも快適に暮らせそうです。さすがに、リビングダイニングのスペースがコンパクトですが、その分庭がちゃんと取れていることを考えると、この家と敷地の関係も捨てがたいと思いませんか? いわゆるコンパクトライフの豊かさ、とはこういうことを言うのかもしれません。

さらに、敷地に対して家がこのくらいコンパクトになってくると、敷地の中で比較的自由に配置ができるようになってきます。その場合、「家と敷地の関係4」のように、南側と道路側になるべくゆとりができるように配置するのが普通なのでしょうが、ここで少しひねってみます。文字通り、敢えて家を敷地に対して少し捻って配置してみると、「家と敷地の関係5」のようになります。

家と敷地の関係4
家と敷地の関係5

このようにすると、家の大きさは同じなのに、庭が3つもできます!
もともと窓の家は、窓を従来の窓の位置にとらわれずに配置して、住まい手が望む景色を家の中に取り込むことをデザインコンセプトの一つとしています。
家が建っているロケーションが、取り込みたい景色に溢れていれば、それこそダイレクトにその景色につながるようにすれば良いのですが、普通の住宅地の場合、なかなかそうもいきません。そのような場合、このように自分の敷地内に取り込むべき景色をつくってしまう、という手があります。

家と敷地の関係5」の庭1は、カーポートを配して道路にゆるやかにつながっているので、街に対して「セミオープン」な庭となります。家の中からはもちろん、街からみても癒されるような、緑豊かな庭としてはどうでしょう。
逆に庭2は、プライベート度の高いスペースです。小さいスペースを活かしたハーブガーデンやビオトープをつくってみたり、自分の好きなオブジェを置くなどしても楽しめそうです。
庭3はダイレクトに道路につながるオープンスペースとなります。玄関に近いため、あなたの家のシンボルツリーを植えてみるのも良いかもしれません。
さらに、それぞれの庭に四季折々の花木を植えて、季節ごとの時間差でそれぞれの庭の景色の変化を家の中から楽しむ、ということもできそうです。この場合、せっかく庭が家をぐるっと囲んでいるのですから、この「窓の家 3間半×4間北入りプラン」を以下のように変えてみましょう。

街に対してセミオープンな庭1はリビングダイニングから、クローズドな庭2は浴室から、そしてオープンな庭3は、玄関ホールから、それぞれその美しい景色を楽しめるプランになりました。
みなさんは、どのような家と敷地の関係が良いでしょうか。ぜひご意見をお聞かせください。

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