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住まいのかたちコラム
無印良品の家が考える太陽光発電
column | 2017.1.24

無印良品の家は、家そのものの高い断熱性能と、風や太陽の光、熱などの「自然エネルギー」を最大限に利用するデザイン「パッシブデザイン」の考え方で、エアコンなどの機器をできるだけ使わない、快適で賢い暮らしを提案しています。

無印良品の家の全棟温熱シミュレーション「+AIR」は、心地よさと環境性能に優れた住まいづくりをデータで把握できるしくみ。みなさんは、無印良品の家が全棟、日ざしや風の入り方をコンピューター解析・数値化して比較し、室温維持に必要なエネルギー量を計算しているのはご存知でしたでしょうか?

正確な家の断熱性能は、断熱材のスペックだけでなく、間取りによって決定するので、家ごとに算出しないと意味がありません。その上で、窓や庇(ひさし)の位置・形状、その家が建っている地域の過去20年間の気象情報の平均値から、夏と冬にどのくらい太陽熱が入るかを把握し、室温を常に冬期18℃、夏期27℃に保つために必要な冷暖房エネルギーがどのくらいかを計算して、自分の家の快適温度性能を「見える化」しているのです。
「+AIR」には、暖冷房負荷シミュレーション報告書があり、快適温度を保つために必要な自然エネルギーのほかに必要なエネルギー、つまり、冷暖房によって補わなければならないエネルギー(これが無印良品の家の場合とても少ないのですが)がどのくらいか明確に「見える」のです。

全棟温熱シミュレーション「+AIR」の暖冷房負荷シミュレーション報告書は、コラム「快温シミュレーション報告書」もご参照ください。

今回は、この冷暖房に必要なエネルギーをどうするのか、についてお話ししたいと思います。

まず、冷暖房機器について。
「エアコンは電気代を食うから、節電のために暖房には電気ヒーターやホットカーペットを使っている」という方がいらっしゃるかもしれませんが、実はそれはちょっとした誤解があります。
例えば「消費電力1kw」の電気ストーブは1時間に、1kwの電気で1kwの熱をつくり出します。一方エアコンはどうでしょう。
今、このコラムを書いている部屋のエアコンについているラベルを見てみると、このエアコンは2014年製で、暖房能力2.5kwに対して消費電力は0.545kwとなっています。これは、同じく1時間に1kwの電気で、約4.5kw、つまり電気ストーブの4.5倍の熱で部屋を暖めてくれることを表しています。エアコンは、ヒートポンプで外気の熱を取り込むしくみなので、電熱線で自分で熱をつくり出す電気ストーブよりも効率が良いということなのです。
ぜひみなさんのご自宅のエアコンも確認してみてください。

ここでもう一度、「+AIR」の暖冷房負荷シミュレーション報告書の「年間暖冷房負荷」を見てみましょう。

住宅性能評価の評価項目の一つ、温熱環境(断熱等性能等級)の最高等級である4等級の評価基準値は460MJ/m²・年 以下であるのに対し、ダブル断熱・トリプルガラスで高い断熱性能を備えているこの無印良品の家は154MJ/m²・年と半分以下のエネルギーで済む、という温熱性能を持っていることがわかります。
このことは、この無印良品の家が、冷暖房で多くのエネルギーを必要としなくても快適に過ごせる、ということを表しています。しかし、言い換えれば冷暖房エネルギーがまったく不要ではなく、最小限ではありますが、床面積1m²あたり154MJ/m²・年、この家の床面積は115.66m²なので、1年間に17.813MJの冷暖房が必要ということでもあります。

この必要な冷暖房を効率4倍のエアコンで補うとすると、それに必要な電気エネルギーは、理論上、約1,240kw、電気代にして年間で約35,000円となります(※1kwあたり28円で計算)。
年間に35,000円で、家中の室温を冬場で18℃以上、夏場も27℃以下を保てる家、それが高気密・高断熱&パッシブデザインの無印良品の家、ということになります。

もうこのくらいのエネルギーであれば、自分でつくり出せるレベルかもしれません。
例えば、自転車を5人でこぐことにより1時間100wのエネルギーを発電できる発電装置を使うとすると(こぎ続ける体力は別として)、毎日8時間を1年間こぎ続ければ、5人×100w×8時間×365日=1,460kwですから、この電力をまかなえます。うーん、やはり現実的ではないですね! ちょっとひねり過ぎましたが、普通は太陽光発電ですよね(笑)。

そこで、無印良品の家は、今回新たにオプション仕様として、太陽光発電システムを設定しました。
この冷暖房にかかる電気エネルギーを太陽光発電による創エネルギーでまかなうとすると、どのくらいの太陽光パネルが必要となるでしょうか。
無印良品の家が設定する太陽光パネルの場合、年間に1,240kwh以上の発電をするのに必要な太陽光パネルの枚数は、たった5枚、9m²にもなりません。これまでは太陽光パネルを屋根の上に載せるとなると、ちょっと大掛かりなオプション工事というイメージがあったかもしれませんが、このくらいなら、小さな屋根にも設置可能ですし、同じ屋根の上でも、最も日当たりが良くて反射光で近隣の方に迷惑をかけにくい最適な場所を選べそうです。設置コストも、立地や方位によりますが、太陽光パネル5枚で約60万円ですみます。

もちろん、屋根への日当り具合やイニシャルコストとランニングコストのバランスを見ながら、太陽光パネルをもう少し多く設置して、冷暖房だけでなく、照明や家電の電力をまかなうこともできますし、ZEH補助金を取得可能な大きさまで載せることも可能です。

みなさんはこのような太陽光発電と創エネルギーについて、どのように考えますか? ぜひご意見をお聞かせください。

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