みんなで考える住まいのかたち

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「縦の家」が目指したもの
暮らしに寄り添う家事室
column | 2014.6.17

この連載コラム「6つの空間と間取り」の回でご紹介したように、「縦の家」はスキップフロアと中央のスケルトン階段との組み合わせにより、上にも下にも緩やかに空間がつながりながらも、「6つのポーション(区分、役割)」に分けられています。
これらの6つの空間に、どのような部屋をつくっていくかが、「縦の家」のプランニングになります。

これまでの平面的に間取りをつくるのとは異なり、「縦の家」は、それぞれ6つの空間の広さがほぼ同じになります。
例えばCASE7のプランでは、延床面積が32坪(108.46m²)ですから、一つのフロアが約10坪、そのうち空間をつなぐようにデザインされたスケルトン階段が2坪あるので約4坪(13m²)、約8畳が1つの空間(ひと部屋)の大きさとなります。もちろん「縦の家」はこれらの空間が横にも縦にもつながっているので、実際にはどこに居ても8畳よりも、もっと広い空間にいることになるのですが。

さて、これらの連続した空間に、自分なりの暮らしを割り当てていくわけですが、これまでにない空間構成ですから、「3LDK」という発想はいったん捨てなければなりません。

CASE7のプランに、(1)リビング (2)ダイニングキッチン (3)主寝室 (4)子供部屋 (5)水まわり (6)玄関 というように、これまで通りの発想の部屋を6つの空間に割り当ててしまうと、玄関や水まわりが8畳となってしまい、その役割にしてはスペースが大きすぎる、ということになってしまいます。
ですので、例えば「玄関」の場合、自転車好きの方なら「玄関+土間を使った自転車メンテナンス・スぺース」。ご近所づきあいの多い方なら、「玄関+靴を脱がずにくつろげる談話スペース」。あるいは、自宅でお仕事をする方なら、「玄関+接客スペース」というように、これまでの発想とは異なる機能を割り当てることで、「縦の家」はその本領を発揮します。

同じように水まわりも「水まわり+寝室」や「水まわり+トレーニングスペース」というように、暮らし方によって発想はどんどん広がります。CASE7のプランでは、「水まわり+家事室」という機能を割り当てました。

無印良品の家では、「みんなで考える住まいのかたち」の「家事室について」コーナーで、皆さんと一緒に家事室と間取りについて考えてきました。「縦の家」の空間構成には、このノウハウがギュッと濃縮されています。
CASE7のプランの1つの空間(ひと部屋)の大きさは約8畳ですが、これに「居室化した」階段スペースをとなりの空間で共有するので、実際はもっと広い部屋として使うことができているのです。
「水まわり(お風呂・洗面・トイレ)+家事室」に「階段下スペース」も入れると、13.5畳ものスペース割り当てていることになります。この空間でどのような暮らしを想定しているかをご紹介しましょう。

この空間には、洗濯機のほかに、室内干し用の収納式ワイヤーと、アイロンがけやパソコンなどができるカウンター、大容量の収納棚、一人掛けのソファ、そして階段下はつくりつけの本棚を設置しました。

この収納棚に家族全員の衣類やリネン類を収納すれば、入浴のたびに自分の部屋から着替えを持っていく必要はありません。脱いだ洗濯物は洗濯カゴに入れ、入浴後は収納棚からタオルや部屋着を取り出して着ればよいのです。
水まわりと一体となったこの家事室では、洗濯機を回している間に(洗濯機を回していなくても)、カウンターでパソコンをしたり、ミシンを置いて縫い物をしたり、ソファでくつろぎながら好きな本を読んだりと、自分の時間を過ごせます。

洗濯が終了すれば、設置してある室内干し用の収納式ワイヤーあるいは浴室の乾燥装置を使って、室内干しをします。室内干しですから、家族全員が外出するときでも天候に関係なく干すことができます。洗濯物を取り込んだ後は、そのままカウンターでアイロンがけを済ませ、元の収納に戻すだけです。そして、また入浴後それを着用する・・・という具合です。

このように、この家事室は非常に合理的な家事動線となっているだけでなく、ゆったりと自分の時間を過ごせる空間になっています。家事をするときでなくても、隣り合わせの土間のポーションともども、家族がここに居る時間が長くなりそうです。これまでの3LDKという発想では生まれなかった空間ではないでしょうか。

「縦の家」の間取りは、暮らす方が自由に自分なりの機能を割り当てていくことで、「自分らしい暮らし」のための家となるのです。このような「縦の家」の「6つのポーション」の考え方、皆さんはどのようにお考えになりますか?ぜひご意見をお聞かせください。

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