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vol.21 結びの家
「無印良品の家」で暮らす人を訪ねて兵庫県宝塚市へ。
バイヤー・監修者の山田 遊さんが、
緑の庭を抱く「窓の家」に会いに行きました。
interview | 2016.8.9

プロローグ

一所懸命

現在の僕の仕事から考えると、かなり異色であると思うのだが、子どもの頃から歴史が好きで、大学でも史学を専攻していた程だ。日本史の教科書を開けば、中世・鎌倉時代のページで必ず行き当たる「一所懸命」という言葉。文字通り、己の土地を命に懸けても守るという、当時の武士の価値観を表している。

借家ではあるものの、住宅街の中の一戸建てに住んでいると、それぞれの家や
土地は塀や柵、生垣などで、厳重に囲われているように見える。また、たとえそれが囲われていない場所においても、コンクリートやプラスチックの杭、また、金属の板や鋲によって、眼には見えない数多の境界線が引かれている。

そんな街では当たり前の風景を見ると、根強い持ち家信仰も含め、日本人は自身の土地に対して、今でもつくづく一所懸命であるように思えてくる。

もちろん家でのプライバシーを守るために、また、隣人の土地や近接した公共の場との区分を明快にするためにも、そういった境界線は欠かせないものだ。ただ、その境界線が、他を遠ざけるように厳格であればある程、途端に自分たちの生活が窮屈なように思えてしまう。この家を訪れて、まず、そんなことがぼんやりと頭に浮かんだ。

山田 遊|やまだゆう
南青山のIDÉE SHOPのバイヤーを経て、2007年、method(メソッド)を立ち上げ、フリーランスのバイヤーとして活動を始める。現在、株式会社メソッド代表取締役。2013年6月に「別冊Discover Japan 暮らしの専門店」がエイ出版社より発売、2014年「デザインとセンスで売れる ショップ成功のメソッド」誠文堂新光社より発売。

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