家は家族を守るための道具だと思います

木の家 | 2015.7.21

神奈川県横浜市、相鉄線鶴ヶ峰駅から車で走ること約10分。自然が残る閑静な住宅地の一角、100坪程のゆったりとした敷地に建つ木の家S邸。
アウトドアがご趣味というご夫妻はクライミングをはじめ、テレマークスキー、トレイルランニングと何でもこなします。ご主人は、出勤前に近くの里山を走り、仕事帰りにはクライミングジムに行くという日々。「昼間家で過ごすことがほとんど無いのですが、本当に陽が入って明るいんですね(笑)」とご主人は吹き抜けを見上げます。

■建物概要
ご住所:神奈川県横浜市
竣工年月:2013年9月
延床面積:101.85m2(30.80坪)
■ご家族構成
ご夫婦+お子さま2人

Sさんが初めて、無印良品の家を知ったのは10年程前のこと。奥様が無印良品のお店からリーフレットを持ち帰り、「こんな家に住みたい」とご主人に見せたのだとか。でもご主人の反応はいまいちだったそうです。
「自分は当時、家に全然興味がありませんでした。寝られればどこでもいいと思っていたんです。海外旅行に行ってもホテルに泊まったことはなく、いつもテントやトレーラーハウス。余計な物が無いシンプルな環境に身を置くことが好きなのかもしれません」と語るご主人。

ご夫妻に転機が訪れたのは、双子のお子さんが誕生したことがきっかけ。「当時暮らしていたアパートが手狭になり、次の住まいを考えるタイミングなのかなと思いました」(ご主人)。
「両親が所有する土地の一部を譲り受けることになったことも、住宅購入を考える後押しになりました」(奥様)。
それから2年間くらいは、具体的な場所選びや、親族間での手続きを進めながら、休日は住宅展示場へ足を運んだといいます。

「いろいろなハウスメーカーのモデルハウスを見て、ひとつだけ気に入ったメーカーがあったのですが、決め手に欠ける。もう少し検討してみたいと思っていたときに思い出したのが、以前見た無印良品の家のカタログでした」(ご夫妻)。ちょうどその頃、近くにモデルハウス(港北ニュータウン店)がオープンしたという情報を知ったご夫妻は、早速見学に訪れます。
「ドアをあけた瞬間から明るくて開放的でいいなと感じました」(ご主人)。
「四角い外観が素敵、と思いました」という奥様。
「たくさんのモデルハウスを見る中で、自分たちの中で比較する規準が自ずとできていました。無印良品の家にピンときたのも、そんな積み重ねがあったからだと思います」と語るご夫妻。
帰りの車の中では、どちらからともなく「いい家だったね」という話題になったのだとか。

「その後、性能や合理性を知れば知るほど惹かれていきました。必要最低限の装備で命を守るという点で、クライミングの道具とも共通していると感じました。家を家族を守るための道具として考えたときに、豪華なつくりや余計な機能は必要ないと考えました」とご主人は語ります。

実際のプランニングはモデルハウス(港北ニュータウン店)を参考にしたというSさん。「ベーシックな間取りが良かったので、モデルハウスそのままが良いんじゃないかと思いました(笑)」(ご夫妻)。

「工事が始まると、楽しみで毎日のように見に来ていました」(奥様)。
「仕事で帰りが遅くなったときも、夜中に懐中電灯を持って見に来たりしていました」(ご主人)。
「完成した家はイメージしていた通り。まるで3Dの絵がそのまま表れたみたいだなと思いました」(奥様)。
「本当に建ったんだなと感慨深かったです」(ご主人)。

S邸のプランは、1階にリビング、ダイニング、キッチン、水まわり。2階は主寝室、フリースペース、収納という間取り。「アウトドアで使う道具を収納するためのスペースを広く取りました。日常生活の中で道具が見えると落ち着かないのでなるべく隠したかった」というご主人。持ち物はできるだけ少なくと考えている奥様は「今の収納のサイズに合わせて物を持つようにしています。買い物をする際もよく吟味してから」と語ります。

「1年ちょっと暮らしてみて、とても快適です。冬は日中、日差しが入るので、夜9時くらいまでは室内が暖かく、エアコンが1台あれば十分。夏は思ったよりも涼しかったです」(奥様)。
「夏場の2ヶ月間、冷房を28℃くらいの設定でつけっぱなしにしてみました。結果、電気料金は月8千円程度。気密性の高さを実感しましたね」とご主人。

「この家に住んでから、友人家族を呼んでパーティーをする機会が増えました。月に何度かはクライミングの仲間が泊まりに来ることもあります。昼寝をしている友人もいて、人の家で寝られるってすごいなと思います(笑)。それほど居心地が良いということでしょうね」(ご主人)。
「子供たちにとっても開放感があるようで、いつも暴れまわっています(笑)。近くに住む姉の家族がよく遊びに来るのですが、その子供は『別荘みたいだね』と言っています」(奥様)。

「毎朝、起きた瞬間からカーテンを全部開けて、外の光を入れます。この家は早寝早起きの人には最適だと思います」というご主人。

「宅配業者の人に『明るい家ですね』と言われたともあるんですよ」と嬉しそうに語る奥様。

ご主人は「この家を本当に気に入っています。でも、チャンスがあれば海外で暮らすことも考えています」と夢を語ります。Sさんご一家は、この家を拠点にこれからも様々なことにチャレンジしていくようです。

※掲載写真は取材時のものであり、現在はご採用いただけない仕様もございます