みんなで考える住まいのかたち

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コストとこだわりのメリハリで、自分たちらしく

ふたつ目の事例は、築41年のマンション。こちらも物件探しからスタイル工房が手がけたお宅です。施主は人気の高い西荻窪エリアを希望していたため、なかなか新しい物件が見つからず、中古物件のリノベーションに決めました。
総予算約4000万円、うちリノベーション費用が800万円程度。十数年前にリフォームされていたため、設備は比較的きれいでした。水まわり、特にキッチンは取り替えたばかり。こんな風に前の住人さんが手をかけて丁寧に暮らしていることも、物件購入のポイントになります。

またこちらの物件は内見の時点で、まだ前の住人さんがお住まいでした。そのため風通しや光の入り方など、暮らしてみて初めてわかることを、あらかじめ教えてもらえたのも役立ったそうです。

施主は二人暮らしのご夫婦。将来、子どもが生まれた時には間取りを変えられるよう、自由度の高い間取りをご希望でした。南側にあった2つの洋室が光を遮ってLDKを暗くしていたため、壁を取り払って25畳ほどもある広いリビングに。
印象的な梁の仕上げには、なんと下地に使うベニヤ板を張っています。現場にあるベニヤをお施主さんと一緒に見て、偶然生まれたアイディアだそう。そして、もちろんローコスト。色合いが均一ではない点が、かえって味わいを生んでいます。

こちらの建具は、元からあるものを黄色く塗り直して再利用。新しく購入するより15万円ほど節約になり、空間の個性も生まれています。

また玄関脇には土間をつくりました。マンションの場合、課題になりやすい収納の少なさ。特に自転車やベビーカーなど「外で使うもの」の収納に、土間は最適なのです。
ちなみに左側に見える窓は、寝室のもの。マンションで開放廊下に面した部屋が寝室の場合、外の音やプライバシーが気になりますよね。あいだに土間を挟むことで、緩衝帯の役割も果たしてくれているのです。

キッチンは前述の通りまだまだ新しかったため、そのまま活用することにしました。壁に向かっていたキッチンを180度回転させ、対面式のカウンターに。ガス周りに新たに壁が必要になりましたが、ただの壁ではなく黒板をつけて「今日のメニュー」や家族同士の伝言を書けるコミュニケーションの場に。

寝室は、アクセントクロスで印象的に。クローゼットにはドアを付けずコストを抑えています。マンションは風通しが悪くなりやすいので、天井近くに土間へとつながる窓をつくりました。

石井:
「風通しはもちろん、天井が見えるので開放感がありますよね」

コストを抑えるべきところは抑えた代わりに、こだわりたいところには本当に好きなものを選びました。廊下の床に張ったのはパーケット(寄木細工)。トイレは既存のものを活かしながら、壁のアクセントクロスや照明で個性的に。洗面台はオリジナルの造作で、高価なベネツィアグラスを貼るなど、自分たちらしいテイストを表現しています。