「鎌倉の家」の間取りを考えてみました

住まいのかたち | 2016.8.16

無印良品の家「窓の家」は、その名の通り、お気に入りの風景だけを切り取るために、自由に壁に「窓」を設けることができる家です。
そんなこと、どの家でもできそうですが、実はそうでもありません。なぜなら、家の性能として最も重要な「構造」と「温熱性能」を考慮すると、「好き勝手」に窓を開けることはできないからです。

「窓の家」の場合、構造については、少ない耐力壁でも十二分に耐震性を保つことのできる「SE構法」を採用しており、どんな窓の配置の家でも、1棟1棟構造計算することで、耐震等級3等級(最高等級)を実現しています。
また、温熱性能については、ダブル断熱+トリプルガラスにより、必ずしも真南に大きな窓を設けなくても、逆に北側に大きな窓を開けても、こちらも1棟1棟温熱シミュレーションをして、2020年に義務化が予定されている断熱性能はもちろん、ZEHに必要な性能もクリアしていることを確認しながら設計しているのです。
このような性能の裏付けと、窓が美しく見えるデザインが施されているからこそ、「窓の家」は、好きなところに窓を開けられる、つまり間取りの自由度が高いのです。

さて、「鎌倉の家住まいモニター」のための家は、現在はまだ建築されておらず、キャンペーン終了後に間取りが決まりますが、敷地は確定しています。そこで、以前のコラム「家と敷地のつながりを考える」では「窓の家」と敷地との関係を考えるお話をしましたが、今回は、鎌倉の家住まいモニターが実際に住む敷地に、様々なライフスタイルに合わせてどのようなプランをつくるかについて、イメージを3つ考えてみました。

「鎌倉の家」の敷地は、やや変形です。そこに、なるべく家をミニマムにし、敷地と家との間に3つのスペースをつくっているのが特徴です。

[1案]サーフィンと仕事をこよなく愛する単身男性


玄関と駐車場を東のスペースにまとめました。このスペースには、車を置いても、まだ奥に余裕がありますから、そこにウッドデッキを敷き、サーフボードラックとシャワー水栓を付けました!
玄関と車とサーフボードラックを近くに配置することで、早朝に海に出るときの動線がスムーズになります。帰ってきたときも、砂の付いたボードをさっと洗ってすぐしまうことができるので、サーファーにとっては理想的なスペースとなるのではないでしょうか。

単に海遊びから帰ってきたときもこのシャワー水栓で体を流せますし、さらには、このデッキから洗面室に直接入ることもできるので、夏は火照った体を、冬は冷え切った体をすぐに浴室で癒すことができるのです。
また、犬を飼う方にも、このデッキとシャワー水栓はとても便利なものになるでしょう。

2階はSOHOとして、デザイン作業などのクリエィティブな仕事がしやすい大きなテーブルと、打ち合わせスペースがあり、玄関から直接、階段で2階にアクセスできるようにしてあります。
このように、1階は充実したプライベートのため、2階は効率よく仕事をこなすための空間として、はっきりメリハリをつけた間取りを考えてみました。もちろん、くつろいでいても、仕事をしていても、お気に入りの庭やサーフボードを「窓」から眺められるように配慮していることはいうまでもありません。

[2案]育ち盛りの子ども4人の6人大家族


次は、シングルライフから一転して、なんと夫婦2人と子ども4人の6人家族を想定してみました。
泥んこになって帰ってくることの多い子どもたちのため、玄関とは別の入口外から直接、洗面室に入れるのは[1案]と同じですが、その洗濯物を「洗濯→干す→しまう」という家事をより効率よくできるように、洗濯機まわりに家族全員の衣類を入れる収納と、屋外に物干しスペースを設けてあります。
大家族のための大量の食材を車で買い込むことが多いことを想定して、駐車場は勝手口の横に配置しました。このような配置で大家族の家事をかなりスムーズにすることができそうです。

あとは、この限られた空間で6人の寝食のスペースをどうするかです。
夫婦の主寝室は2階に確保しましたが、4人の子どもたちに個室を与えるスペースはありません。畳にして布団の生活も悪くないですが、今回はあえてベッドを4つ並べて、それぞれを収納家具で仕切ってみました。
もっと大人になったら、さらにカーテンなどで仕切る、と言い出すかもしれませんが、いまのうちはとにかく4人がワイワイガヤガヤと喧嘩したり助け合ったりして、家族の絆が深まるのではないでしょうか(笑)。
この間取りは1階に家事を集中させていますが、同時に食事、宿題、家族の団らんもこなす大切な空間です。この家では、「子どもたちは個室に居るからしっかり勉強している」などという親の希望的観測は通用しません。南側の庭に面した一番いい場所を子どもたち4人が並んで勉強できるワーキングカウンターにしたので、ここに居ないときは、勉強していないことが一目瞭然だからです。「宿題はやったの?」という親も子もどきどきする会話はこの家には必要ないのでしょう。

[3案]共働き夫婦+幼児の3人家族


3つめは、玄関、駐車場の位置は[2案]と同じですが、2階に水まわりを配置してみました。1階に余裕ができた分、東側のクローズな庭に向かって玄関とつながる土間スペースをつくり、ちょっとしたお客様は、ここにしつらえたカフェテーブルで季節の木々を眺めながら、お庭の自慢話に話が弾むかもしれません。
水まわりを2階にもっていったので、洗濯は2階ですることになります。洗濯物は洗面室に直結したインナーバルコニーに干せるので、多少の雨も、視線も気になりません。夫婦共働きの家族には、とても便利なのではないでしょうか。

みなさんのライフスタイルはどれに近いでしょうか? そして、今回はちょっとメリハリをつけた間取りをご紹介しましたが、いかがでしょうか。みなさんのご意見をお待ちしております。

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